beacon

「自分が引っ張っていきたい」。選手権1得点のMF千葉翼は今年、長崎総科大附の先頭に立って戦う覚悟

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF千葉翼長崎総合科学大附高の先頭に立って、2年前の選手権8強超えを目指す

[3.3 交流試合 宮崎日大高 1-0 長崎総合科学大附高 宮崎日大高第2G]

 今年は、自分が先頭に立って長崎総合科学大附高を引っ張ると決意している。MF千葉翼(2年)は1年時から長崎の強豪校の一員として選手権を経験。今冬はレギュラーとして選手権の舞台に戻り、初戦(対浜松開誠館高)で豪快ヘッドによる決勝ゴールを決めた注目プレーヤーだ。

 前線でのハードワークと競り合いの強さが特長。昨年まではアタッカーのポジションで起用されることが多かったが、今年はボランチにもチャレンジしている。Blue Wave winter league九州・山口1部と、宮崎日大高の“人工芝グラウンド完成記念試合”を兼ねて行われた宮崎日大戦はボランチとして先発し、先制された後に前線へポジションを移した。

「ボランチではセカンドを全部拾って攻撃に繋げたいと思っていた。前線に上がって自分の特長は競り合いだったけれど、全然勝てなかった」と千葉。この日、前を向いてボールを持った際には怖さもあったが、ボランチとしての特長だというセカンドボールの回収や競り合いでの強さを発揮できず、本人は悔しさを滲ませていた。

 今年のチームで昨年からの出場していた選手はわずか。この日はGK梶原駿哉(1年)やMF一宮優斗(1年)が存在感ある動きを見せていたが、千葉は経験の浅いチームを自分が引っ張るつもりでいる。「まだ経験が浅い選手がいっぱいいる。自分が引っ張っていかないといけないし、自分が引っ張っていきたいと思っています。去年とか自分は使われていた方だったんですけれども、今年から使う立場にならないといけないと思っているので、また切り替えてみんなを使っていって、自分を活かせるようになりたいです」と力を込めた。

 1月の長崎県新人戦では、選手権直後で準備期間が少なかったとは言え、準々決勝で国見高に延長戦の末に敗れて連覇が8でストップ。悔しい敗戦からスタートした新チームが現在、名将・小嶺忠敏監督からよく言われてことは「簡単にボールをなくすな」ということだ。

 また、個人として「人より走れ」と小嶺監督から声がけされているという千葉は、今年湘南入りした先輩MF鈴木冬一の「攻守の切り替えとか速くて学ばないといけない」と語る。また、全国ではボールを収める部分などのレベルを引き上げなくてはならないと感じてきた。今年は、求められる部分や課題を強みに変え、チームを引っ張る存在として走り、得点も決めて、チームを勝たせる意気込み。そして、チームとしては長崎総科大附の特長だと感じている競り合いの強さで相手を上回り、ボールも繋いで得点できるように変化させていく。

「自分は、去年も一昨年も全国出たけれど8以上まで行けていないのでそれを越えたい。点を獲って、チームを勝たせてあげたい」。新人戦や、チャンスを作りながらも1点が遠かったこの日の敗戦の悔しさをバネに、チームとともに成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP