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悔しい“初代表”から変化。帝京長岡のレフティーMF田中はU-17日本代表入りに再挑戦

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帝京長岡高MF田中克幸はU-17日本代表入りへ再挑戦

 選手権で飛躍したレフティーが、代表入りへの再チャレンジを誓った。帝京長岡高(新潟)のMF田中克幸(2年)は選手権3回戦の長崎総合科学大附高(長崎)戦で劇的な決勝点。左中間で落としを受けた田中はDF1人を外して得意の左足シュートを逆サイドのゴールネットに突き刺した。

 相手のマークを外すテクニカルなドリブルなど同大会で印象的な活躍をした2年生MFは、02年の早生まれ選手として、今年2月にU-17日本代表初招集。今秋にU-17ワールドカップを控えるチームでプレーするチャンスを得た。本人もそのチャンスを逃すまいと奮起してチリ遠征に臨んだが、日本とは逆の夏の気候に慣れず、体調不良に。結局、試合は体調が回復した後の最終戦・U-17チリ代表戦でフル出場した1試合のみに終わってしまった。

「エリートプログラムだったり、行ったこと無くて初めて代表入れてもらってビックリして嬉しかったんですけれども、行って何もできなくて早かったかなと」と田中。内容、結果ともに悔しい思いをした“初代表”だったが、その場に行ったことで感じた手応えもある。

「前向いて仕掛けたときは落ち着いてやれた部分もあって、ボール来て前向けば何でもできるという感じで、でもボールを受ける回数も少なかった。(それでも、)落ち着いて普段通りやればできると思うし、(森山佳郎)監督にも言われたのが守備のところと出したあとは止まっていることが多かったりで、そこを改善すればもっと上のレベルで通用するのかなと思いました」

 岡山から「雪国」新潟に挑戦してきたレフティーは悔しい経験をバネとし、一からアピールして代表入りを目指すだけだ。帰国後は明らかに変化したという彼の姿勢。谷口哲朗総監督は帰国後の田中について「飛び出しもそうですし、めちゃくちゃ走るようになりました」と頷く。

 また、トレーニングでは“エグい”シュートを連発。謙虚な口調で「気を緩めずに成長し続けてもう一回代表に選ばれるように」と語っていたが、チームで一番走れる、戦える選手になることを掲げるなど気持ちは前に出てきている。今月にはJクラブへの練習参加も予定。高いレベルで自信をつけて代表復帰、プロ入りの目標を達成する。

 自分が上で生き残っていくための武器について「前向いた時の仕掛けだったりちょっとタイミングをずらして相手を置き去りにしたり、あとスルーパス、ラストパスだったりゴール前での人と違った発想だったりを使えるところ」と田中。代表チーム、プロは「少ないチャンスを活かしていかないと生き残っていけない」という厳しい世界だ。次こそ、そのチャンスを必ず掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)

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