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興梠「それで負けるよりも…」割り切った浦和が初白星

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決勝点を奪った浦和レッズFW興梠慎三

[3.9 J1第3節 松本0-1浦和 サンアル]

「見ている人にとっては面白くないサッカーだったかもしれない」――。この試合で唯一となる得点を決めたFW興梠慎三はそう振り返ったが、1-0の完封勝利を収めた浦和レッズは今季リーグ戦初白星を獲得した。

 強風が吹いていた。前半に風上を選択した浦和は「後ろからつないでいこう」としていたものの、風の影響、そして「相手がハードワークして前から来ていた」という松本の激しいプレッシングにも遭い、思ったような攻撃を仕掛けられない。相手に高い位置でのボール奪取を許す場面もあり、「そこで失うんだったら、ロングボールを蹴ってセカンドを拾う形が良いんじゃないかと話し合った」結果、ロングボールを多用することになった。

 後半は風下に立ったこともあり、その色合いはより濃くなっていくが、後半27分に一瞬の隙を突いて先制点を奪取する。FWアンドリュー・ナバウトのパスを右サイドで受けたMF長澤和輝が折り返すと、PA内の相手選手のハンドを誘ってPKを獲得。「PKキッカーは決まっていない」ものの、「雰囲気的に皆が『慎三、蹴れよ』という感じになっていた。アンドリューも『俺が蹴る』と言ってたけど、『ここは俺に蹴らせてくれ』」と自らペナルティースポットへと向かった。

「蹴るからにはキチンと決めないといけないプレッシャーもあった」。チームは開幕2戦未勝利の上に、ここまでノーゴール。相当なプレッシャーがかかっていただろうが、エースはそれをはねのけ、右足から放ったシュートで見事にネットを揺らして決勝点を記録した。

「後半はほとんど裏に蹴っていたと思う。見ている人たちには面白くないサッカーだったかもしれないし、自分たちも本当ならつないでいきたい試合だったけど、それで負けるよりも勝ち点3を取るためには割り切りも大切だった」

 浦和がこの試合で放ったシュートは前後半に2本ずつの4本。しかし、試合の環境、状況に応じた割り切った試合運びをすることで、喉から手がでるほど欲していた勝ち点3を手に入れた。殊勲のエースは「PKなんでラッキーな部分もあります」と苦笑しながらも、「この1点は自分にとっては非常に大きな1点なので、次節から自分のプレーが楽しみです」とチーム初得点をきっかけにさらなる爆発を狙う。

(取材・文 折戸岳彦)

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