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新潟MF秋山合流の日本高校選抜、意図的な攻撃増えるなどチームとして少しずつ形に

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MF秋山裕紀(前橋育英/3年→新潟)の合流で日本高校選抜の攻守の質は向上

[3.9 練習試合 日本高校選抜 0-1 静岡産業大 草薙陸]

 4月の欧州遠征メンバー選考と強化のために静岡合宿中の日本高校選抜は9日、18年東海学生リーグ1部2位の静岡産業大と練習試合(25分×4本)を行い、0-1で敗れた。日本高校選抜は10日の静岡県ヤングサッカーフェスティバル(草薙陸)で静岡県ユース選抜と戦う。

 1月、2月、そして3月とメンバーを少しずつ絞りながら続けられてきた選考・強化合宿。日本高校選抜は徐々にチームとしての形を成してきている印象だ。この日はGK飯田雅浩(青森山田/3年)やMF天笠泰輝(青森山田/3年)、MF岡井駿典(市立船橋/3年)に加え、日本高校選抜の合宿には初参加となるMF秋山裕紀(前橋育英/3年→新潟、1月中旬の予備選考合宿には参加)が先発出場。ボールを引き出す動きやパスで質の高さを見せる秋山がトップ下の位置で存在感を放った。日本高校選抜は、再三左ハイサイドやゴール前に侵入してくるSB豊島基矢(青森山田/3年)や右SB松尾勇佑(市立船橋/3年)を活用。秋山からの展開を交えた攻撃でチャンスを作っていく。

 だが、9分にFW染野唯月(尚志/2年)が競り合いで太腿を打撲。負傷退場してしまうと、10人で戦った時間もあった影響か、それまで良かったリズムが悪くなってしまい、立て直しまでに時間がかかってしまう。終盤にリズムが出てきたところで1本目は終了。0-0で終えた。

 それでも、1本目に上手く行かなかった部分を話し合って臨んだ2本目は、MF武田英寿(青森山田/2年)やFW鈴木唯人(市立船橋/2年)がボールを引き出す中で縦パスの意識が向上。ボールに多く絡む秋山や天笠、岡井が起点となって攻撃のテンポを上げた高校選抜は、右SB後藤裕二(矢板中央/3年)や豊島が決定的なシュートを打ち込んでいく。15分にボールを奪いきれずにサイドから崩されて失点。攻撃的な戦いを続けた高校選抜だが、SBの背後を突かれたり、ボールを奪い切れなかったシーンが幾度かあった。

 それでも、朝岡隆蔵監督(市立船橋高)は「少しずつチームになってきている。良いシーンがたくさんあった」とコメント。強風とピッチコンディションに苦しんだ選手が多く、最後の質の部分を欠いたことは確かだが、選手間の共通理解が深まり、意図の合った攻撃が増えていた。

 ただし、2本目からメンバーの半数が入れ替わった3本目は中盤で十分にボールが受けられなくなり、武田が強引な仕掛けから放ったシュート以外はなかなかチャンスを増やせず。また、4本目もポストに救われるなど失点こそ逃れたものの、攻撃ではMF須藤直輝(昌平/1年)のスルーパスから秋山が抜け出して放ったシュートがわずかに枠を外れるなど最後のところで質を欠き、1点を奪えないまま試合終了を迎えた。

 スコアは0-1で敗戦。それでも、朝岡監督が「意図的に縦パスが通るようになってきた」と語ったように、2月の「NEXT GENERATION MATCH」(対U-18Jリーグ選抜、1-1で引き分け)に比べても意図した攻撃の組み立て、崩しが増えてきている。FW宮崎純真(山梨学院/3年→甲府)、FW西川潤(桐光学園/2年、C大阪特別指定選手)、MFバスケス・バイロン(青森山田/3年→いわきFC)の3人を欠く中(いずれもチーム事情で静岡合宿参加を辞退)、前向きな内容。将来、このチームからより多くのプロ選手や日本代表を輩出するために、選手たちは内容と結果の両方を求めていく。10日のヤングサッカーフェスティバルも期待される勝利にこだわりながら、質を高めてさらに成長を示すような試合をする。


(取材・文 吉田太郎)
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