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緊急出場から堂々アシストも…失点悔やむ川崎F田中碧「今日はそこしかない」

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緊急出場した川崎フロンターレMF田中碧

[3.10 J1第3節 横浜FM2-2川崎F 日産ス]

 同僚のアクシデントによる先発出場が決まったのは、ロッカールームでの円陣が解かれた後だった。キックオフ直前の緊急出場をこなした川崎フロンターレMF田中碧は、好調の横浜FMを相手に準備不足を感じさせない堂々たるプレーを披露。しかし、チームは土壇場で同点被弾。試合後には「自分の責任を感じている」と振り返った。

 試合前のウォーミングアップ中にMF大島僚太が左ハムストリングの違和感を覚え、急遽メンバー変更を強いられたこの日の川崎F。連戦中ということもあり、MF中村憲剛、FW小林悠といった主力の面々もベンチに控えていたが、ダービーマッチの映えある代役に任命されたのは20歳の田中だった。

 先発を告げられたのは、すでに先発組がユニフォームに着替えた後のこと。まさに直前でのスクランブル起用だったが、「やるべきことをやるだけ。自分のやるべきことを100%出すということしか考えていなかった」と強気な姿勢でピッチに立ち、開始直後に理想どおりの見せ場をつくった。

 田中は前半4分、GK飯倉大樹の縦パスをインターセプトすると、ワントラップからのスルーパスを最終ラインのギャップに突き刺す。これにFWレアンドロ・ダミアンが抜け出し、早々の先制点を奪った。「自分のゴールよりも彼の活躍」。ブラジル出身ストライカーにそう言わしめるほどのビッグプレーだった。

「チームの狙いどおり、前から行くことを練習からやってきたし、奪って縦に早く展開できたのが良かった」。これがリーグ戦3試合目の先発となった20歳が振り返ったように、先制点のプレーは日頃から積み重ねてきたものの延長線上。その後も敵陣と自陣を行き来する難しい展開の中、チームコンセプトに沿ったプレーをし続けた。

 だが、それほど充実していた一戦は最後のワンプレーで崩れ去った。1点リードで迎えた後半アディショナルタイム、MF扇原貴宏のヘディングシュートで失点。マークを担っていたのが田中だった。「引き分けになったのは自分のせい。今日はそこしかない」。報道陣からは試合全体での好プレーに質問が向けられたが、明るく話せる心持ちではなかった。

 だからこそ、次の出番では「取り返さないといけない」とマイナスからのスタートを志す。「前回出た時よりはやれると思ったし、落ち着きも増えてきている。もっと違いを作り出さないといけないし、やれることはたくさんある」。悔しさを噛み締めた20歳が再びピッチで躍動する時、ここで失った勝ち点2が生きてくるはずだ。

(取材・文 竹内達也)
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