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[ヤングサッカーフェスティバル]最後まで勝ちにこだわり劇的白星!1、2年生で構成の静岡県選抜が日本高校選抜撃破!

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静岡県ユースが日本高校選抜を撃破

[3.10 静岡県ヤングサッカーフェスティバルU-18の部 静岡県ユース選抜 1-0 日本高校選抜 草薙陸]

 静岡県ユース選抜が日本高校選抜撃破! 第34回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが10日に行われ、U-18の部で静岡県ユース選抜と日本高校選抜が対戦。後半アディショナルタイムに10番FW三木直土(磐田U-18/2年)が決勝点を決め、静岡県ユース選抜が1-0で勝った。

 高校1、2年生で構成された静岡県ユース選抜が、年上、同年代の選手権のヒーローたちを破った。ヤングサッカーフェスティバルへ向けてわずかな準備期間しかなかったが、日本高校選抜の試合映像を分析。相手の戦い方にハマるように、また個々の選手たちの良さが出るように3-4-3システムを組んだ。その静岡県ユース選抜は、ウイングのように高い位置に張ってくる相手のSBに川本梨誉(清水ユース/2年)と鈴木瑞生(清水ユース/2年)の両WBが蓋をしながら、攻撃時には五十嵐海斗(清水ユース/2年)や清田奈央弥(磐田U-18/2年)を中心にポゼッションして押し返す。

 前半は右FW松村優太(静岡学園/2年)が圧倒的なスピードを発揮。スピードに乗ったドリブルで日本高校選抜の守りを切り裂き、幾度も会場を沸かせていた。日本高校選抜も左SB水野雄太(大津/3年)やMF鈴木唯人(市立船橋/2年)のスピードを活かした仕掛けや相手の逆を取る巧さを見せるMF秋山裕紀(前橋育英/3年)、MF武田英寿(青森山田/2年)を中心に攻め返す。

 だが、静岡県は鋭いタックルで相手ボールを奪い取っていた阿部健人(静岡学園/2年)と牧野光佑(磐田U-18/2年)の両ストッパーが日本高校選抜の攻撃に対抗し、裏に抜けたボールは「自分の持ち味はカバーとか1対1のところなのでそこは高校選抜にも負けたくないと思っていたし、上手くやれたんじゃないかと思います。(チームとしても) みんなミーティング通りにプレスかけるとか、少ない時間で集まった中で組織として守れたし、意思の疎通とかできていたんじゃないかと思います」という西島隆斗(清水ユース/2年)が的確なカバーリングを見せるなど隙を見せない。

 前半35分には川本のインターセプトから右サイドを縦に突いた松村のクロスをMF青島太一(清水ユース/2年)が決定的な右足シュート。さらに39分にショートカウンターから青島の放ったシュートが右ポストを叩く。公式記録上の前半のシュート数は4-0。GK杉本光希(磐田U-18)の安定した守りもあり、静岡県ユース選抜がより内容良く前半を終えた。

 日本高校選抜は後半開始から5人を入れ替えてテンポアップしてきたが、静岡県ユース選抜は加藤慎一郎監督(清水ユース)が「選手たちが相手を良く見てやってくれた」と頷いたように、冷静にボールを繋いで相手にリズムを与えない。そして、後半も松村が躍動。25分にはゴール前のこぼれ球に松村が反応したが、右足シュートは日本高校選抜の守護神・飯田雅浩(青森山田/3年)が止めてスコアは動かない。

 膠着した展開の中日本高校選抜は、MF岡井駿典(市立船橋/3年)がバランスを取りながら、より攻撃に比重を傾けていく。左サイドに張った豊島基矢(青森山田/3年)を再三活用。そのクロス、シュートなどから1点をもぎ取ろうとする。やや前掛かりになりながらも攻める日本高校選抜は36分、中盤で前を向いたFW 染野唯月(尚志/2年)が左サイドへ展開。豊島のクロスに染野が飛び込んだが、ボールは枠上へと外れてしまう。それでも緩めずに攻め続けた日本高校選抜だったが、静岡県ユース選抜も勝つことだけを考えていた。

 アディショナルタイム、静岡県ユース選抜は中盤でボールを奪うと、MF坂本康汰(藤枝東高/2年)が左サイドへ展開。これを受けたWB鈴木海音(磐田U-18/1年)がPAへラストパスを入れ、FW山崎稜介(清水ユース/2年)が走り込む。左ポストを叩いたシュートの跳ね返りを10番FW三木が1タッチでゴールへ押し込んだ。

 劇的な決勝ゴールに沸く静岡イレブン。加藤監督は「勝つこと」を諦めずに戦いきった選手たちについて「よくやってくれました。しっかりしていますね」と頬を緩めていた。そして西島は「諦めないで最後までできたので良かったです」と語り、年代別日本代表などと戦う予定のSBSカップ(8月)でも「静岡を背負うからにはどこにも負けたくない。サッカー王国と言われているので意識しながら、誇りを持ってやっていきたいと思っています」と誓っていた。注目されている日本高校選抜打倒を果たして自信をつけた静岡の選手たちが、今シーズン、それぞれの戦いの舞台で活躍する。


(取材・文 吉田太郎)
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