beacon

[サニックス杯]「ベース作り」の段階も、青森山田が走ってU-17マレーシア代表撃破!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半34分、青森山田高はFW古澤ナベル慈宇が2点目のゴール

[3.14 サニックス杯予選リーグ U-17マレーシア代表 0-2 青森山田高 グローバルアリーナ]

 国内外の高校生世代16チームが優勝を争う「サニックス杯国際ユース大会2019」が14日に福岡県宗像市のグローバルアリーナで開幕。今冬の選手権優勝校で前回のサニックス杯王者でもある青森山田高(青森)とU-17マレーシア代表が開幕試合で対戦し、U-17日本代表CB藤原優大(1年)とFW古澤ナベル慈宇(1年)のゴールによって青森山田が2-0で勝った。

 プレミアリーグEAST開幕まであと3週間強。青森山田の黒田剛監督は「まだ手探りでやっている。チームのベース作りの段階」であることを説明する。その中で指揮官は「まず走ること、プレッシャーに行くこと。走り負けない、競り負けない」というチームのベースとなる部分をチェック。選手たちはU-17マレーシア代表相手に走り負けない、競り負けない戦いを見せた。

「35分ハーフなので、プレミアはあと20分長い。この70分は絶対に切らさないでやらなきゃ、プレミアや選手権で難しくなると思ったので、70分全力で前から行きました」というU-18日本代表MF武田英寿主将(2年)や注目の新1年生MF松木玖生、MF古宿理久(2年)の中盤中央3選手を筆頭に立ち上がりから相手を追い回し、失ったボールをすぐに奪い返して主導権を握る。

 そして、コンビネーションから武田の放った左足シュートや、CK、右SB内田陽介(2年)のロングスローで相手にプレッシャーをかけ続ける。U-17マレーシア代表の快足FWシャムスディン・ルクマン・ハキムのスピードに苦しむシーンもあったが、空中戦や潰しの部分で奮闘していた藤原中心のDFラインが決定打を打たせない。

 前半34分、青森山田は松木の左CKから藤原が決定的なヘッド。これはゴールライン手前でDFにクリアされてしまったが、アディショナルタイムに先制点を奪う。セットプレーの流れからMF浦川流輝亜(2年)のラストパスにFW金賢祐(2年)が反応。GKの小さなクリアを藤原が右足でゴールに突き刺した。

 青森山田は後半もルクマンに走られて決定的なピンチを作られたが、GK佐藤史騎(2年)の好守などで凌ぐと、試合終了間際に古宿の左FKから交代出場の古澤が頭でダメ押しゴール。2-0で開幕試合を制した。

 ミスもあったが、青森山田がチームの連係を高めるのはこれからだ。このサニックス杯では走ることや競り勝つことに加え、連戦の中で波なく戦うことができるかなどを意識して戦う。選手権王者として「見られることは分かっている」(黒田監督)という一年。その中で指揮官は最上級生の奮起している姿が見えることを認めていた。

 武田は「去年しっかり結果を出してくれているので、『自分たちも』という思いがあります」。昨年の青森山田はプレミアリーグで勝ち切れない試合が続いたり、インターハイ2回戦敗退から反省しながら強くなっていった。今年のチームは個々の打開力、爆発力など昨年に劣る部分もある。だが、意識高くスタートしている選手たちは、自分たちのやるべきことを徹底、そのレベルを高く維持しながら一年間を過ごし、大目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

TOP