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「背中から炎が出ている」永岡が勝てなかった意外な敵

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激しい競り合いを見せる永岡(中央)

[3.16 第22回ドリーム・カップ3-4位決定戦 Yokohama Crackers 1-1 Red Eagles兵庫](平塚)

 23日に公開される映画「蹴る」に出演する永岡真理(㈱マルハン)が16日、電動車椅子サッカーのドリーム・カップに出場。グループリーグの2試合目・ナンチェスターユナイテッド鹿児島戦ではゴールも奪った。所属するYokohama Crackersは昨年準優勝だったが、今年は4位に終わった。

「優勝を目指していたので悔しいです。体調は全然問題なかったので……」

 永岡のプレーを見て中村和彦監督が「背中から炎が出ている」と一目ぼれしてはじまった今回の映画だが、その気迫あふれる永岡でさえ勝てない相手が、3-4位決定戦で立ちはだかった。永岡が解説する。

「1日3試合することはよくあるんですが、連続して3試合したのは今日が初めてでした。3試合目の途中から、(車椅子の座席下の部分に装着されている)バッテリーが弱くなって、(車椅子を走らせる)相手との競り合いでどうしても負けてしまったんです。そういうことも含めて私の方でマネジメントしないと。いかにパワーを使わずプレーをするか、ということも意識しながらプレーしないといけないですね」

 電動車椅子は自分の足代わりになって動いてくれるが、文字通り電気で動くため、寿命も来る。選手たちは試合の合間にバッテリーの充電もしながら備えている。相手との駆け引きと同時に、車椅子のコントロールにも気を配らなければいけないのはこの競技ならでは面白さだ。

「この車椅子に乗って6年経っていて長く使っているので、変えることも考えています。自分と車椅子の動きをうまく合わせることを追求していきたいです。これからも今まで通りベストを尽くしたい。その最高のところに日本代表があるので、そこを目指していきたいです」

 買えば車一台分、100万円単位の買い物になる。その出費を惜しむことなくサッカーに捧げたい。この気持ちがある限り、「背中から見える炎」は燃え続ける。

(取材・文 林健太郎)

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