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[ガバナーカップ]「自分たちもできる」ことを見せる舞台。兵庫県選抜が”格上”神戸U-18に粘り勝ち、優勝に王手!

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兵庫県選抜U-18がヴィッセル神戸U-18に勝利。兵庫県選抜のFW吉田翔貴(神戸弘陵高)は前線で存在感

[3.25 ガバナーカップ兵庫2019 兵庫県選抜U-18 1-0 神戸U-18 三木防災陸上]

 ドイツ、ベルギーのクラブチームと昨年度の選手権王者・青森山田高を兵庫県の3チームが迎えて行う国際交流親善大会「ガバナーカップ兵庫2019」は25日に大会3日目を実施。兵庫県選抜U-18とヴィッセル神戸U-18の一戦は、1-0で兵庫県選抜が勝利した。

 ヴィッセル相手に兵庫県選抜が燃えない理由はない。「出身チームなので負けたくない気持ちが強かった」と話すMF濱本直大(神戸弘陵高・新3年)ら4選手は中学時代、神戸U-15に所属。他の選手も中学時代に試合で対戦しながらも勝てなかった選手ばかりで、「もう一度、自分たちもできるんだということを見せる舞台。僕らが言わなくてもモチベーションが高かった」(谷知典監督)。

 前日のアウグスブルクU-18(ドイツ)戦で出場機会の無かった選手がスタメンに並んだことも選手の気持ちを奮い立たせ、前半2分にMF梶本朱生(市立尼崎高・新3年)の右クロスからFW吉田翔貴(神戸弘陵高・新3年)がゴールを狙うなど序盤から勢いよく仕掛けた。

 以降は個の力で上回る神戸に試合の主導権を握られたが、守備の時間が長くなるのは想定済み。「球際とかは相手よりも気持ちが入っていた」と濱本が振り返る粘り強い守りでボールを奪った。すると、15分には相手DFのミスを梶本がPA内でカット。そのまま「僕は持っている。最近、宝くじで3,000円を当てたのでその勢いでボールを蹴った」一撃がゴール右隅に突き刺さり、兵庫選抜が先制した。

 幸先の良いスタートを切ったものの、1点を奪ってからは肝を冷やすような場面が続いた。21分に神戸FW臼井勇気(新3年)が上げたクロスはゴールに直接向かいながらも、ポストを直撃。前半残り5分を切ってから与えた2度のCKによる決定機も、GK好井丈裕(県立西宮高・3年)の好セーブやポストに救われた。

 後半開始から神戸は、トップチームに2種登録されているMF山内翔(新3年)とFW小田裕太郎(新3年)を投入。ピッチの幅を使ったボール回しと対角へのパスを多用した神戸が押し込んだが、「アタッキングサードの質が足りなかった。押し込んでいたので、『いつか点が獲れるだろう』という心の余裕もあったと思う」(神戸・野田知監督)。

 DF口石典明(滝川二高・新3年)が「最後は気持ち」と強調する気迫のこもった守備を続けた兵庫県選抜に再びチャンスが到来。後半15分、DF竹内悠力(神戸弘陵高・新3年)の左へのサイドチェンジに口石が反応すると、素早くゴール前にクロスを送る。ラストは吉田が合わせたがクロスバーをヒット。それでも最後まで1点を守った兵庫県選抜が1-0で勝利した。2連勝を達成した兵庫県選抜は26日にオイペンU-18(ベルギー)との決勝戦に臨む。

 ガバナーカップは兵庫県選抜にとって、国体後も継続してきた強化の集大成の場。目標はこれまで兵庫県選抜が果たせなかった優勝で、「選手には歴史に名を残そう。色んな人に見て貰って感謝を示そうと伝えてきた」(谷監督)。「良い雰囲気で決勝を迎えられると思うので、雰囲気を落とさないようにしたい」と口石が続けるようにタイトルにかける意気込みは強く、大会3連勝で有終の美を飾るつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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