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選手権で足技魅せたテクニシャン、大津MF濃野が怪我から復帰。「代えのいないような存在に」

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MF濃野公人は主軸として大津高を引っ張る存在に

 今冬の全国高校選手権の際は、PA近くで繰り出す足技で会場を沸かせていた。そのアタッカー、大津高(熊本)MF濃野公人(新3年)は脛の疲労骨折によって新人戦を欠場。それでも、3月14日から17日に開催されたサニックス杯国際ユース大会(福岡)では、先発出場してボールスキルの高さを発揮していた。

 サニックス杯で務めていたポジションはボランチだった。今年はFW宮原愛輝とFW半代将都の新2年生コンビやMF樋口堅大主将(新3年)が前線に並ぶことが想定される中、濃野は下がり目の位置でプレー。足技を全面に出すよりも、少ないタッチで正確にボールを動かしていたことが印象的だった。

「中盤はあまり経験がないので、タッチ数を増やすとやられるというのがある。チャンスがあればドリブルで行きたいと考えています」と濃野。まだまだ新しいポジションに慣れていないようだったが、ボランチが主戦場となった際には中盤中央からの攻撃参加やプレッシングの鋭さでチームに貢献していくつもりでいる。

 1学年上の世代は現湘南のCB福島隼斗や日本高校選抜のMF水野雄太、CB吉村仁志ら攻守にタレントが揃っていた。選手権で先発した下級生はゼロ。その中で全3試合に途中出場した濃野は今年、自分がリーダーとしてチームを引っ張っていく意気込みだ。「昨年は先輩に頼っていた部分がいっぱいあったので、自分がチームを引っ張っていくことを意識していきたい。代えのいないような存在になっていきたい」と力を込めた。

 公立校ながら、2度目の昇格を果たしたプレミアリーグWESTが4月6日に開幕。G大阪ユースとの初戦から勝ち点を積み重ねて残留、そして上位へ食い込むことがチームの目標だ。濃野は
「自分たちがボールを握ってやることは少なくなってくると思う。でも、前からのプレスは日頃からやっている。格上のチームが多いと思うけれども、怯まずに、自分たちのサッカーがどれくらい通用するのか試したい。大津高校の部員を代表して来ているので、良い結果が残せるようにしたい」。技巧派MFは持ち味を発揮しながら、チームに一つでも多くの白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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