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悔しさバネに日本一のチームの守護神へ。帝京長岡の注目GK猪越「なるための努力をするだけ」

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帝京長岡高のGK猪越優惟は今年の注目GKの一人

 選手権8強の「技巧派軍団」帝京長岡高(新潟)のGK猪越優惟(新3年)は今年の注目守護神の一人だ。身長は182cmと特別な高さがある訳ではないが、シュートセーブ力に長け、帝京長岡で磨かれたビルドアップも武器。FCみやぎバルセロナ(宮城)に所属していた中学時代にJクラブユースからも注目されていたGKは、悔しい思いも経験しながら全国区のGKに成長してきた。今年、MF谷内田哲平主将(新3年)とともにチームリーダーの役割を担う猪越が今年の意気込みなどを語った。

――選手権は評価された大会でもあり、悔しい思いもした大会に。
「(準々決勝は味方のミスで1失点したが)本当はあそこで止めて、もっと注目されれば良かったんですけれども、あそこで止められないのが自分の実力なので、ああいう場面でもチームを救えるようなセーブをできるようにもっと努力していかないといけない」

―今年はキャプテンの谷内田選手と猪越選手の2人がチームを引っ張る形。注目されるチームを引き締めなければいけない。
「去年の(土岡) 優晟みたいな存在を意識していきたい。自分が試合に出ていたので彼はサブGKだったんですけれども、支えてもらっていることが多くて、そういう意味でも凄く尊敬している先輩なので、ああいうふうにチームを引き締められたらもっとチームも良い方向に行くのかなと思ってやっているんですけれども、難しいですね」

―今年は力があると言われる選手が多いけれど、色々な方向を向いてしまう危険性もある。
「元々個性が強いと言われている学年なので、まとめるのは大変ですね」

―元々はFCみやぎバルセロナからJユースに行く可能性が高かった。
「(最終的に行くことができず、)それが悔しくて今頑張れるというところもあるので」

―それが自分のエネルギー。
「それもあるんですけれども、1年の時のインターハイ予選で自分、途中から出たんですけれども5失点して負けちゃったんで、どっちかというとそっちの方が悔しい。入学した直後、それもA戦に一回も出たことがないような状況でいきなり出るとなったので。チームに足を引っ張ってばかりで……」

―最近の選手権優勝チームには良いGKがいる。それに自分が。
「なんなきゃ日本一になれないと思っているので、その覚悟というか、決意は最初からできていますし、なるための努力をするだけと思っている」

―現在、自分の強みだと感じている部分は?
「シュートストップのところは自信を持ってやれている。あと、(チームは)ハイラインでやることが多いので、(DFライン)背後への飛び出しというのは、多少はできるんじゃないかと思います」

―このスタイルのサッカーに入っていくのは難しかったのでは。
「本当に最初は全然ついていけなくて、本当に迷惑をかけてばかりだった。ビルドアップやポゼッションは今までやったこともないようなものだったので、練習するしか無いなと思って」

―上にいくために必要な部分。
「現代サッカーでは、できなきゃいけないので、良かったですね」

―今や強みになってきたのでは?
「それは、あります。下でも結構回せるし、ロングボールも飛距離は出る方だと思っているので、精度を高めていきながら、攻撃の起点にもなれたらいい」

―憧れのGKは?
「ビルドアップのところでは完全にエデルソン・モラエスなんですけれども、セービングとかクロスボールの対応とかの面ではクルトワ。身長がデカイのもあるですけれども、技術もあって上手いなと思います」

―猪越選手は大きく見えるけれど、身長は182、183cmくらい。
「(手が長いこともあるけれど)デカく見えるようには意識してやっていて、距離の遠いところのシュートだったら手を上に広げたり、横にやったりして、打たれる瞬間にキュッとちっちゃくなるようにすると、相手に威圧を与えられるかなと思ってやっています」

―個人として、チームとしてどのような一年に。
「個人としてはチームを勝たせられるようなGKになるように毎日努力をして、どんな状況でも無失点で勝てるということがGKとして大事だと思っているので、無失点にこだわっていきながらやっていくということと、チームとしては日本一しか目指していないので、他の高校相手でも、Jユース相手でも勝っていけるようにしていきたいです」

―どのチームでも3点差4点差つけられるチームになれば、簡単には負けない。
「攻撃陣は充実しているのでそこは心配していないんですけれども、守備が課題だと思っているので、自分が助けるものそうですし、DFラインとコミュニケーションを取りながら無失点にこだわってやっていきたいです」

(取材・文 吉田太郎)

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