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久保建英が巧みにゴール演出、“連戦”も研ぎ澄まされた感覚「保ちやすい」

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途中出場で先制ゴールを演出したMF久保建英

[3.30 J1第5節 浦和1-1FC東京 埼玉]

 大方の予想通り、試合の流れを変えたのはこの男だった。U-22日本代表の活動明けだったMF久保建英は今季初のベンチスタート。後半17分、長谷川健太監督が久保を投入すると、試合の流れはFC東京に傾く。攻撃のリズムを変えた17歳は前線でタメをつくり、先制ゴールの起点となった。

 スコアレスで迎えた後半30分、久保はカウンターからMF青木拓矢のマークを振り切ってドリブル突破。FWディエゴ・オリヴェイラへのパスは乱れたが、自らこぼれ球に反応。この場面で浮き球のボールを頭でつなごうとする動きを見せたが、咄嗟に左足パスに選択を切り替えた。

「単純に自分のヘディングでは届かないかなと思った」。相手3人に囲まれた状態でボールがバウンドすると、自身の背後から狙うMFマルティノスの動きを捉えた。「食い付いていた選手が見えたので裏に出しました」。左サイドを追い越してきたMF東慶悟へ、左足ダイレクトで正確なパスを通した。

 視野の広さを生かし、瞬時の状況判断から精度の高いスルーパスを供給した久保。テクニックとアイディア、抜群のセンスが凝縮されたシーンだった。縦に突破した東がクロスを入れると、FWディエゴ・オリヴェイラが頭で叩き込み、先制ゴールが生まれた。

 今季は開幕から4試合連続で先発出場。右サイドハーフが主戦場だったが、この日は2トップの一角に入った。長谷川監督は「展開的に前線で守備の負担を減らして、出来るだけパワーを攻撃に使ってもらいたかった」と意図を説明。久保も「押し込まれる時間帯が長い中で、いつもより前の位置でプレーさせてもらうことで、より攻撃に直結するプレーができた」と手応えを語った。

 9日間で4試合目という“連戦”だった。Jリーグ中断期間はU-22日本代表の一員として、東京五輪一次予選のU-23アジア選手権予選を戦った。40度近い酷暑のミャンマーで中1日の連戦。22日マカオ戦、24日東ティモール戦、26日ミャンマー戦の全3試合に出場。第2戦の東ティモール戦はフル出場し、FK弾を含む2ゴールという結果を残した。

 疲労を考慮した長谷川監督はジョーカーとして久保を起用し、その期待に応えた。勝利はあと一歩で逃したが、チームの無敗は継続している。疲労があるとはいえ、試合が続くことで「自分の感覚というのは保ちやすい」という言葉通り、感覚は研ぎ澄まされていた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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