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[船橋招待U-18大会]チャンスを得た選手たちが好プレー。市船撃破の京都橘は「選択肢が広がる試合」に

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前半14分、京都橘高FW梅津倖風(中央)が決勝点を決めた

[3.30 船橋招待U-18大会 京都橘高 2-1 市立船橋高 グラスポ]

 第24回船橋招待U-18サッカー大会(千葉)は30日に大会2日目を行った。地元の市立船橋高(千葉)と京都橘高(京都)との一戦は京都橘が2-1で勝利している。

 前半は京都橘が主導権を握る展開となった。相手のパスコースを切りながら、前線から連動したディフェンスをした京都橘は相手の中盤の選手に前を向かせず、インターセプト。この日、米澤一成監督に代わって指揮を執った篠原弘樹コーチも「(ダブルボランチの)佐藤、志知のところで上手く取れたので、得点に繋がった」と説明したように、上手くボールを奪い取った京都橘はMF佐藤陽太主将(新3年)とMF志知遼大(新3年)のミドルレンジからのシュート、またサイドへ展開してからのクロスで市立船橋ゴールを脅かす。

 そして、ボールを保持して攻めた京都橘は13分、SB田中慶吾(新3年)が右サイド後方からPA方向にフィードを入れる。FW梅村脩斗(新3年)がタイミングよく抜け出して独走。最後は飛び出したGKよりも一瞬速くシュートを打ち込み、先制点を奪った。京都橘は、その1分後にも中盤でのインターセプトから左へ抜け出した梅村がラストパス。これを中央のFW梅津倖風(新3年)が1タッチでゴールへ押し込んだ。

 2点を先取した後も攻勢は続く。16分には、右サイドからカットインしたMF高木大輝(新3年)の左足シュートがクロスバーをヒット。前半の京都橘はポゼッションだけでなく、球際の勝負でも市立船橋を上回っていた印象だ。この日、U-17日本代表候補FW西野太陽(新2年)は怪我で不在だったが、前線で身体を張る梅津と鋭い抜け出し、推進力を見せる梅村の2トップがコンビネーション良くプレーし、左SB松本永遠(新3年)が内側に空いたスペースへ攻め上がるなど、個人も、チームとしても良さを見せ続けていた。

 だが、市立船橋の両SB、畑大雅(新3年)、植松建斗(新3年)の攻撃力は驚異。23分に右SB畑の突破から決定的なシーンを作り出すと、24分には左SB植松が左サイドを縦に仕掛けてクロスを入れる。これをFW加藤想音(新2年)が右足1タッチで合わせて1点差とした。

 篠原コーチから「まだまだ甘い」と指摘されて迎えた後半、京都橘はDFライン背後へのボールを織り交ぜて攻める市立船橋に背中を取られ、同点のピンチを作られた。23分にはFW賀澤陽友(新3年)にGKがかわされるシーンも。だが、DFラインの集中した守りで凌いだ京都橘は、逆に幅を使った攻撃で3点目のチャンスも作り出す。守勢になることなく、最後まで攻め返していた京都橘が2-1で勝利。選手たちは素直に勝利を喜んでいた。

 試合後、京都橘の篠原コーチは「選択肢が広がったし、チームとして成長できる試合になった」と頷いた。けが人もいる中でチャンスを得た選手や新たなポジションでテストされた選手がアピール。今年、京都3冠奪還や全国上位進出、プレミアリーグ復帰を目指す京都橘にとって、チームとして成長する勝利となった。

(取材・文 吉田太郎)

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