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[船橋招待U-18大会]今年は頂点を「目指す」ではなく、「獲る」。名古屋U-18が帝京長岡に逆転勝ち!

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後半終了間際、名古屋グランパスU-18FW村上千歩が決勝ゴール

[3.30 船橋招待U-18大会 帝京長岡高 1-2 名古屋U-18 グラスポ]

今年は、頂点を「獲る」。名古屋グランパスU-18(愛知)は30日、第24回船橋招待U-18サッカー大会で帝京長岡高新潟)と対戦。新チームの練習試合ではカウンターで沈められていた相手に2-1で逆転勝ちした。

 同じ相手には負けられない、という名古屋のプライドと力を見せつけたゲームだった。グループでボールを前進させる両チームのテクニカルな戦いは後半10分にスコアが動く。帝京長岡は京都内定MF谷内田哲平主将(新3年)の右CKをCB岩崎慶太(新3年)が頭で左隅に流し込んで先制。だが、名古屋はその2分後、左サイドからのパスを受けたMF田邉光平(新3年)が右足シュートを右隅に沈めて1-1とする。

 互いに相手を見ながらボールを動かし、シュートチャンスを作り合う好ゲーム。名古屋は19分にMF豊田晃大(新1年)のスルーパスから左SB岡崎流也(新3年)、FW村上千歩(新3年)が連続シュートを放つが、帝京長岡はGK猪越優惟(新3年)が連続セーブで得点を許さない。帝京長岡もFW晴山岬(新3年)がドリブルシュートを放つなど、次の1点で25分ハーフのゲームの決着をつけようとする。

 迎えた後半終了間際、名古屋は左サイドのMF倍井謙(新3年)がCBとGKの間へ斜めのボールを入れると、帝京長岡DFの小さなクリアが名古屋FW村上の下へ。これを村上がゴールへ蹴り込み、名古屋が逆転勝ちした。

 勝ち切ったことを素直に喜んだ名古屋だが、求めるレベルはまだまだ先にある。ボールを持ちながらも相手を変化させる部分やフィニッシュの意識が不足。試合後のミーティングでは各選手が反省点を指摘し、古賀聡監督は技術、意識の両面を求めていた。今大会、各チームが力を認める名古屋だが、現状への満足感は全くない。

 名古屋は現在、グラウンドマネージャーや、新人監督、地域貢献、食事の管理など選手たちに役職に就かせて、日常から責任を持って人と接する取り組みを実施している。Jリーグのアカデミーは環境に恵まれているため、与えられた環境に受け身になりがち。そのため、「“大人としての基準”で働きかけています」(古賀監督)。トップに上がる、上がらないの前に、U-18チームで少しでも大人にあって社会へ。プレーヤーとして個々が技術、判断力を磨くことはもちろん、彼らの人間としての成長の積み重ねによってチームとしても力をつけていくという考えだ。

全てはトップチーム昇格、全国タイトルを獲得するため。昨年、名古屋はプレミアリーグWESTで優勝争いに加わったが、3位に終わっている。自慢の攻撃力を発揮し、5-5や4-4といった派手な打ち合いを演じたが、あと1点を獲る、守る、また勝ち点1をもぎ取るような強さがなかった。

昨年は頂点を「目指す」チームだった名古屋。今年、選手たちが掲げている目標は「目指す」ではなく、頂点を「獲る」だ。田邉は「頂点を獲ることにもっとこだわる。獲り切るということは今年意識して全員でやろうということで『獲る』にしました」。日常から個人、チームを貪欲に高めて今年は「頂点を獲る」

(取材・文 吉田太郎)

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