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鹿島練習参加のFW染野が先制弾、注目の進路は内田の助言も参考に決断へ

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日本高校選抜FW染野唯月(尚志高)は大学生との練習試合で先制ゴールを決めた

[3.31 練習試合 日本高校選抜 2-3 流通経済大 時之栖G]

 将来へ向けて貴重な助言を得た。FW染野唯月(尚志高、新3年)は日本高校選抜静岡合宿最終日の3月31日、流通経済大との練習試合で先制ゴール。左SB豊島基矢(青森山田高→順天堂大)からの折り返しを右足1タッチでニアサイドに沈めた。

 この日、染野は大学生DFとの攻防戦で健闘。最前線で身体を張り、良くポイントになっていた染野は、飛び込んできたDFと入れ替わって一気に前進したり、1タッチでのラストパスやスルーパスを通したりするなど、存在感のある動きを見せた。

 日本高校選抜ではCF争いの最中にある。2点目を奪うチャンスがあっただけに決められなかったことは反省点だが、周囲との連係も良く決定機に絡む動き。本人は日本高校選抜の欧州遠征(4月11日~24日)で得点するのは簡単ではないと前置きした上で、「何ができるか考えて、前線で身体を張ってボールをキープして、その中で点を決められればいい」と意気込みを口にした。

 日本高校選抜の活動によって、尚志を離れることに苦悩した時期もある。だが、「(日本高校選抜が参加するデュッセルドルフ国際ユース大会は)スカウトの方とかいっぱい来るので、海外のチームに呼ばれたり、そういう気持ちでやってこいと(尚志の仲村浩二)監督にも言われたので、あとは自分がどう結果を残すか」。4月11日から始まる欧州遠征ではチームへの思いを一時封印し、海外で大暴れしてくる。

 1月の全国高校選手権で、優勝校の青森山田高相手にハットトリックを達成するなど得点王に輝いたストライカーについては現在、複数のJクラブが争奪戦を展開中だ。その染野は28日の高校選抜合流前日までの2日間、鹿島アントラーズの練習に参加した。染野にとってこれが初となるJクラブへの練習参加。鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身の染野は鹿島のトレーニングレベルの高さを体感した一方、進路を決断するに当たって、貴重な助言を得たようだ。

「本当、アントラーズはレベルも高いですし、その中で雰囲気も良くて、若手の選手も上下関係なくやっていたイメージがあります。内田篤人選手とか土居聖真選手と話す機会があって、将来のことを話してもらったり、良い機会になったかなと思っています。(進路について)篤人さんからは『一通り見て、自分が良いと思ったクラブに行くのがベスト』と言われています」

 鹿島のキャプテン、DF内田篤人は清水東高(静岡)時代、チームでの全国大会出場は無い(国体で全国8強)。だが当時、U-18日本代表の右SBだった内田は、染野同様にJクラブの争奪戦となり、地元・清水など7クラブに練習参加した末に鹿島入りを決めている。そして、鹿島1年目にいきなり開幕スタメン。その後のJリーグや日本代表、海外での活躍に繋げている。

 染野は尚志での日々に加え、選抜、代表チームでの活動もあるだけに、これに練習参加が加わればさらに多忙なスケジュールとなる。「なるべく早く決めて自分の中で安心してプレーしたい」という染野だが、内田の助言を参考に、「自分が良いと思ったクラブに行く」考え。日本高校選抜の欧州遠征で活躍すれば、海外からも注目される可能性があるが、貪欲にその評価も狙いに行く。
 
(取材・文 吉田太郎)
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