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J史上2例目の“完全試合”、シュート集計の「誤報」を検証してみた

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シュート0に終わった愛媛FC

 3月30日のJ2第6節、FC町田ゼルビアの本拠地に乗り込んだ愛媛FCは公式記録上シュート0本で敗れた。Jリーグによると、これはJ2創設21年目で史上初の珍記録だという。ところが当サイト『ゲキサカ』では試合終了直後の記事で、シュート1本という集計で速報マッチレポートを掲載した。この「誤報」はなぜ起きたのか、公式記録の集計基準を参照しつつ振り返ってみた。

 町田市立陸上競技場で行われた町田対愛媛の一戦は、ホームの町田が1-0で勝利。町田が今季初の2連勝、愛媛が今季初の2連敗となった。もっとも、そんな対照的な結末以上に注目を浴びたのはシュート数だ。町田の7本に対して愛媛は『0』。2009年J1第31節の鹿島対山形戦以来、Jリーグ史上2度目、J2リーグでは史上初の『完全試合』となった。

 しかしゲキサカでは試合終了直後、見出しの一部に「愛媛は終了間際にようやく初シュート」と記した初報を掲載。その後、公式記録が発表されたのを受け、見出しを「愛媛はシュート0」に変更し、記事内の表現も合わせて訂正した。

 では、どうしてシュート数の集計が異なったのか。

 解釈が分かれたのは後半44分の愛媛のチャンスシーン。状況を描写すると、右サイドに攻め上がったMF近藤貴司がクロスを送り、エリア内で収めたFW有田光希が右足で狙ったが、町田DF酒井隆介にブロックされた。得点には繋がらなかったものの、あわや1点という決定機。これを記事ではシュートと数えたが、公式記録ではシュート数に加えられなかった。

 Jリーグでシュート数などの記録を集計しているのは、各会場に配備された公式記録員。試合後、担当者に後半44分の場面についての見解を尋ねると「攻撃側の選手が蹴ったボールが至近距離で守備された場合、シュートを記録しない」という基準を教えられた。すなわち、酒井のブロックが有田の「至近距離」であったため、シュートは記録されないという見解だった。

 その際、示されたのは記録員が参照しているというハンドブック。これによると、「選手にとってはシュートであっても、記録上はシュートが記録されない」というケースは他にもあるという。それは「ボールが大きくゴールを外れた場合」「守備側選手が簡単に防いだ場合」の2つのケース。以下でそれぞれ紹介する。

■ボールが大きくゴールを外れた場合
 基準は、シュートを打った場所が「ペナルティエリアの内か外か」、ボールが外れたのが「ゴールの左右か上方か」でそれぞれ定められている。


 上記がシュートに記録されるかされないかの基準だ。「PAの外」から「ゴールの上方」に外れた場合、「ゴールの3倍の高さ」よりも遠くに外れれば、公式記録上のシュートにはあたらない。

 なお、角度のない場所からのシュートでは例外的な基準が設けられている。PA外からのシュートは「ポストまたはバーにボールが当たった場合、ゴールした場合だけシュートを記録する」とあり、PA内からのシュートでは「ボールに十分な勢いがあれば、左右に大きく外れてもシュートを記録する」。

■守備側選手が簡単に防いだ場合
 ボールが大きくゴールを外れた場合と同様、シュートを打った場所が「ペナルティエリアの内か外か」に加え、防いだ選手が「GKかフィールドプレーヤーか」でそれぞれ定められている。


 たとえば「PAの外」から「フィールドプレーヤーに」防がれた場合、3m以内の距離でブロックされた場合はシュートなし。また、J2第6節で問題となった愛媛のケースは「PAの内」で「フィールドプレーヤー」に「至近距離」で防がれているため、やはりシュートを記録しないのが正しい解釈だった。

(取材・文 竹内達也)
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