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バースデーマッチ終えた岸田翔平、29歳の決意「水戸と一緒に上を目指したい」

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水戸ホーリーホックDF岸田翔平

[4.3 J2第7節 東京V0-0水戸 味フィ西]

「意識してないって言ったらウソになりますね。得点に絡むプレー、ゴールに絡むプレーは日頃から狙ってますけど、やっぱり少しは気持ちが入っていたかもしれない。だから勝ちたかったです」。J2第7節東京V戦の試合後、そうして苦笑いを浮かべたのは水戸ホーリーホックのDF岸田翔平。この日が29歳の誕生日だった。

 開幕節から7試合連続での先発出場。昨季はJ1昇格を果たした地元・大分でわずか4試合の出場にとどまり、J2水戸への移籍を選んだが、充実したシーズン序盤を迎えている。何より喜ばしいのは試合に絡みながらチームの結果が出ていること。水戸は現在、4勝3分の無敗でリーグ2位を走っている。

「去年は僕自身、昇格というのが初めてだったけど、ベンチから見ていて、途中からはメンバーに入ることもできなくなった中で、やっぱり自分もピッチの中で一緒にやりたかったし、自分自身が出ている試合でああやって勝利して、J1昇格を掴みたいと思った」。

 2000年にJリーグ参入を果たした水戸は20年目のJ2シーズン。J1クラブライセンスのスタジアム基準が緩和されることもあり、最古参という立場からJ1昇格に向けた機運もますます高まっていることから、岸田自身も「オファーをもらって、水戸というチームと一緒に上を目指したいという気持ちを強く持った」と高みを見据えている。

 大分の育成組織から福岡大に進学し、プロ入り後は鳥栖、長崎、大分でプレー。九州を出るのは今回が初めてだ。「地元の大分でやりたかった気持ちもあるけど、自分のサッカー人生での気持ちを考えた時、試合に出て輝けるのが一番幸せだと考えた。ちょっと遠いけど外に出て試合に出られる環境を求めようと思った」と覚悟は人一倍強い。

 そうして迎えたプロ8年目はキャンプで長谷部茂利監督の信頼を獲得し、プレシーズンマッチから右サイドバックの定位置を射止めた。「いろんな監督の下でプレーして幅が広がった部分はある」。鳥栖ではユン・ジョンファン監督、長崎では高木琢也監督、大分では片野坂知宏監督、結果を出せる指揮官と過ごした時間は大きな財産だ。

 そうした経験を長谷部監督の下、チームにも還元していく。「このチームは若い選手が多いし、今まで自分が経験したことを言葉として伝えたいし、伸び伸びプレーできるようにサポートしたい。そういったものは去年の大分でも、年上の選手の姿勢を見て学んできた」。

 そして何より、次は自身が栄光を掴む番だ。「まだまだ自分自身、成長できると思っている。プレーでも、言動でも、若い選手のサポートでも、もっとチームの指針になっていけるような存在になっていきたい」。ほろ苦い昨季の栄光と携えてきた覚悟を胸に、岸田翔平が20代ラストイヤーを駆け抜ける。

(取材・文 竹内達也)
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