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キック精度強みとする名古屋U-18の188cmGK三井、体感した世界を基準にレベルアップ

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名古屋グランパスU-18のU-18日本代表GK三井大輝

 世界を基準にしてレベルを引き上げる。名古屋グランパスU-18のGK三井大輝(新3年)は188cmの大型守護神だ。昨年2月のU-17日本代表UAE遠征メンバーに初選出されると、今年はU-18日本代表のスペイン遠征(2月)、UAE遠征(3月)に続けて招集されて世界と対峙してきた。

 今年2月のスペイン遠征では受け身になってしまい、自分の良いところを出せなかったという三井だが、続くUAE遠征では自分の強みであるビルドアップ、キックにチャレンジ。一つ遠い選手にボールをつけるなど発揮できた部分もあったという。

 バルセロナのドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンを参考に、身体の正面に置いたボールを右足でも、左足でもサイドに正確に散らせるようにトレーニングしている。「強い相手に対しても自分の強みを、自信をもってやっていきたい」という三井は3月末に開催された第24回船橋招待U-18大会でも、強豪チーム相手に利き足と逆側の左足キックでSBにボールをつけて見せるなど、ストロングポイントを発揮していた。

 ただし、三井は世界との差をもっと縮めないとならないと考えている。イングランド戦などから、世界レベルのシュートは日本と差があることを痛感。タイミング、スピード、コース……。それを体感してきた三井はチームメートにその精度、強度を求める考えだ。そして、「(海外の強敵は)チャンスは少ないけれども、そのチャンスを絶対に逃さない。そのチャンスをどれだけ潰せるかがGKの役目だと思っているので、それをしっかり意識していきたい」とコメント。今秋のAFC U-19選手権予選の有力候補である三井は、世界レベルのシュートを止めるために、仲間を動かす部分や自分の準備、セービング技術を貪欲に向上させていく。

 名古屋のアカデミー出身のGKでは、GK小島亨介(現大分)が一昨年のU-20ワールドカップを経験し、20年東京オリンピックの守護神候補になっている。三井は「ジュニアの時からあの人の背中を見てきたので、あの人以上に行けるように頑張っていきたい」と宣言。トップチーム昇格、全国制覇という目標と同時に、U-18日本代表の正守護神としてアジアの戦いに挑み、勝利するという目標がある。

 船橋招待大会にも視察に訪れていたU-18日本代表の影山雅永監督や冨樫剛一コーチへのアピールを継続すること。「選ばれるだけじゃなくて世界としっかり戦って予選突破をする」。日々世界を意識しながらビルドアップやロングキックの精度をより高めて、課題のシュートセーブやクロスの判断を改善。そして、チャンスを勝ち取って世界相手に力を発揮する。

(取材・文 吉田太郎)

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