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法大主将DF加藤威吹樹、中央大FW加藤陸次樹、開幕戦で念願の双子対決実現へ

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法大主将DF加藤威吹樹(左)と中央大FW加藤陸次樹

 念願の双子対決が実現する。今週末開幕する関東大学サッカーリーグ1部で、昨年度の大学選手権(インカレ)王者の法政大は1部に復帰した中央大と激突。法政大の主将DF加藤威吹樹(いぶき)と、中央大に在籍する双子の弟、FW加藤陸次樹(むつき)のマッチアップに注目が集まる。

「ずっと1部に上がって来いって言っていったんです。去年のアミノバイタルカップであと中大が一戦勝てば当たれたんですけど負けちゃって。何回か練習試合ではあったけど公式戦では初。生まれて初めてになりますね」

 埼玉県出身の加藤兄弟。江南南サッカー少年団、クマガヤSC、越境入団したサンフレッチェ広島ユースと高校年代まで常に一緒のチームでプレーした。

 しかし二卵性の2人。利き足は威吹樹が左なのに対し、陸次樹は右。ポジションもサッカーを始めた時から威吹樹がCBなど守備的だったのに対し、陸次樹はFWだった。そして決定的に違ったのは、陸次樹が世代別代表として活躍するなど、常に“一歩先”を行っていたことだった。

「正直、陸次樹の方が自分より上というのは小さい頃からずっと感じていた。小学校の時からあいつは上の学年とずっとやっていましたし、ユースでもトップの試合に出ていた。実力的にすごく差を感じていて、悔しい思いがあった。でもその思いが自分をここまで引っ張ってきてもらっていると思うので、そこは面白いですよね」

 “違い”は大学選択にも影響した。早々にトップ昇格を見送られた威吹樹は、大学進学を決断。法政大から誘いを受けたことですぐに進学を決めた。しかし陸次樹はトップ昇格の可能性を残していたことから進学先を決めることが出来ずにいた。最終的にはユースの沢田謙太郎監督の母校だった中央大に推薦してもらう形で進学を決めた。「大学サッカーもやるんだったら一緒にやりたかったんですけどね。でも1部で対戦できるのでいいです」。

 4年ぶりに1部に復帰した中央大に対し、法政大は昨年のインカレを42年ぶりに優勝。一昨年には総理大臣杯を35年ぶりに優勝するなど、古豪復活の機運を高めている。残すはリーグ優勝。こちらも1979年以来遠ざかっているタイトルを狙うことになる。

 東京オリンピックのエース候補と期待されるFW上田綺世(3年=鹿島学園高/鹿島内定)やMF紺野和也(4年=武南高/FC東京内定)など多くの有力選手を擁する法政大。タレント軍団を束ねる加藤主将は「正直、今年取れなかったらチャンスはないなと思っている。全タイトルを取るという目標を掲げて黄金時代を作ると言っているので、そこは成し遂げたい」と力強く意気込んだ。

 法政大対中央大は7日、山梨中銀スタジアムで14時キックオフ。


(取材・文 児玉幸洋)●第93回関東大学L特集

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