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“先輩”大久保を削った! 湘南MF鈴木冬一「少なからず意識していた」

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強気さを見せた湘南MF鈴木冬一

[4.6 J1第6節 湘南0-2磐田 BMWス]

 湘南ベルマーレMF鈴木冬一は前半19分、プロ入り後初となるイエローカードを提示された。激しくファウルを仕掛けた相手はジュビロ磐田FW大久保嘉人。自らと同じく名将・小嶺忠敏監督の下で育てられ、「超えていきたい気持ちがある」という同門の“大先輩”だった。

 C大阪アカデミー出身の鈴木は、高校3年次の1年間を遠く九州の長崎総合科学大附高で過ごした。異例の決断を後押ししたのは、高校年代屈指の名将である『小嶺先生』の存在。だからこそ、かつて国見高で育った相手チームのエースストライカーにも並ならぬ思いを抱えていた。

「(大久保は)僕が長崎にいた時に練習に来てくださったり、V・ファーレンとの試合があった時に練習を見させてもらったりしていた人。プレーの中でも感じたけど、サッカーを知っているというか、相手との駆け引きがすごくうまい。相手の嫌がることをやっていると肌で感じた」(鈴木)。

 そんな手強い相手に対し、先に仕掛けたのは「同じサイドだったので少なからず意識していた」という鈴木だった。前半19分、中盤に下がってボールをキープした大久保に対し、後方から果敢にハードタックルをお見舞い。苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだ“先輩”について、“後輩”はあっさりと振り返る。

「言い方はよくないけど、わざとイエローカードをもらわせるような持ち方をしていたと思う」。そう言うからにはもちろん、恐れはなかった。「遠慮はないですね。18歳の僕がああやって球際でガツガツ行けば(長崎総附の)後輩にも刺激を与えられるし、偉大な選手を相手に腰が引けたプレーをしたら見本にならない。思い切って行きました」と前向きに語る。

 そんな強気なメンタリティーを持つ鈴木はその後、次々にMF山田大記とMF森谷賢太郎のファウルを誘い、イエローカードを誘うことに成功。「90分間とおして球際では負けていなかったと思う。大きな選手にヘディングで勝てない部分はあるけど、1対1の対人で負けないトレーニングはしている」。そんな強みを十二分にアピールしていた。

 なお取材の最後には、報道陣から大久保との第2戦で「激しく行けば行くほど、向こうからも激しく来るのでは?」との質問も向けられた。すると「もっと楽しくなりそうですね」と真っ向から受けて立つ姿勢を強調。「キャリアが長いし、経験もしている」と仰ぎ見る大先輩を「超えていく」選手になるため、どんなバトルになろうとも後に引くつもりはない。

(取材・文 竹内達也)
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