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[プレミアリーグWEST]「インパクトを与えよう!」7年ぶりプレミア復帰の愛媛U-18が状況判断良く戦い、名古屋U-18に快勝!

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前半13分、愛媛FC U-18FW{{上岡陸))が右足で先制ゴール

[4.6 プレミアリーグWEST第1節 名古屋U-18 0-2 愛媛U-18 ヤンマーフィー]
 
 7年ぶりプレミア復帰の愛媛U-18が白星発進! 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019WESTが6日に開幕。18年3位の名古屋グランパスU-18(愛知)と昇格組の愛媛FC U-18))(愛媛)との一戦は、愛媛が2-0で快勝。プレミアリーグ復帰初戦を白星で飾った。

 愛媛U-18にとっても、四国勢にとっても7年ぶりとなるプレミアリーグでの戦い。プレミアリーグでは結果の出ていない四国のチームでも、「できる」ことを自分たちは証明しなければならないと彼らは考えていた。

 その開幕戦直前のロッカールームで、青野大介))監督は選手たちへ向けて「インパクトを与えよう」とメッセージ。この言葉について、主将のDF{{谷岡昌(3年)は「グランパスは常連で、優勝候補ですし、ここに来ている誰もがグランパスが勝つと思っていたと思うので、そこで僕も含めて全員で『お客さんを驚かせてやろう』というのがあった。(監督のメッセージで)全員がポジティブな気持ちで入れた」と振り返っていたが、士気を上げてゲームに入った選手たちが、前評判の高かった名古屋に見事に土をつけた。

 愛媛は取り組んできた繋ぐサッカーと、状況に応じたサッカーの両面を発揮して白星を掴んだ。荒れたピッチでの試合となったこの日、ショートパスでも不規則にバウンドが変化していた。その中で愛媛は無理やりボールを繋ぐのではなく、前線に構える182cmFW{{藤原代知(3年)へのロングボールを効果的に活用。立ち上がり、ボールを繋いで攻める名古屋に押し込まれた愛媛だったが、その時間帯を凌ぐと、ロングボールから先制点を奪う。

 前半13分、MF阪井暖(2年)が相手DFラインとGKとの間にボールを入れると、俊足FW上岡陸(3年)がPA外側まで飛び出した相手GKと入れ替わる。愛媛にとって最初のビッグチャンス。これを上岡が右足でGK不在のゴールに叩き込んだ。

 このゴールによって明らかに落ち着いた愛媛は、丁寧にパスを繋ぐシーンを増やして名古屋に対抗。MF田邉光平(3年)やMF倍井謙(3年)をはじめ、個々の技術高い名古屋だが、ビルドアップや攻撃をスピードアップさせたところでミスが出てしまう。

 右サイドでDF1人を剥がしたSH石田凌太郎(3年)の突破からチャンスを迎えるシーンもあったが、DF谷岡昌(3年)を中心にDF武井邑馬(3年)、DF村中総一郎(3年)が並ぶ3バックを軸とした愛媛の堅い守備に苦戦。「フィジカルはないけれど、賢さがある」(青野監督)という愛媛DF陣が、プレシーズンに大学生と対戦してきた経験も力に名古屋の攻撃に対応し、セカンドボールの攻防戦でも上回って攻め返していた。

 愛媛は、観戦していたライバルチームの指導者がその判断力などを高く評価していたMF美佐田誠大(3年)やMF阪井暖(2年)が慌てずにゲームをコントロール。上岡やMF岡田蒼生(3年)のスピードも活かしてシュート、ラストパスに持ち込んでいた愛媛が次の1点も奪う。

 後半5分、愛媛はGK草野真人))(3年)が左サイド奥へフィードを入れる。そして、名古屋DFの頭でのバックパスを狙っていた左MF{{三原秀真(3年)がインターセプト。その三原が、飛び出していたGKの頭上を越す右足ループシュートを決めて2-0とした

 名古屋は石田やFW光田脩人(2年)の抜け出しから決定的なシーンを作ったが、ゴールをカバーした谷岡にシュートをクリアされるなど追撃ゴールを奪うことができない。怪我明けでベンチスタートのMF榊原杏太(3年)が鋭いドリブルでファーストDFをかわすなど攻撃を活性化していたものの、愛媛の守りに穴を開けることはできず。逆に3点目のチャンスを作られていた名古屋の古賀聡監督も「愛媛さんの方が(状況を良く)見ていたと想う」と称賛する内容で愛媛が勝利した。

 勝利したことを喜んだ愛媛だが、満足感はない。青野監督は「自分たちが自信をつけて、もっと自分たちがやりたいことができれば」と期待する。それに対して上岡は「このあとは自分たちのサッカーであるポゼッションをしつつ、きょうの得点のような長いパスも入れて主導権を握って戦っていきたい」と語り、「目標は優勝。まずは一戦一戦勝っていきたい」と力を込めた。「やってやろう」という気持ちで臨んだ開幕戦で自信をつけた愛媛が、次は自分たちの目指すサッカーをより表現して連勝する。

(取材・文 吉田太郎)
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