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[プレミアリーグWEST]新1年生MF森田が先制ゴール!“公立の雄”大津は白星逃すも、G大阪ユースを追い詰める

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ガンバ大阪ユース大津高戦は1-1ドローに

[4.6 プレミアリーグWEST第1節 G大阪ユース 1-1 大津高ヤンマーフィー]
 
 “公立の雄”大津、開幕白星逃すも堂々の戦い――。高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019WESTが6日に開幕。18年2位のガンバ大阪ユース(大阪)と昇格組の公立校・大津高(熊本)との一戦は、後半アディショナルタイムにG大阪が追いつき、1-1で引き分けた。

 3年ぶりにプレミアリーグ昇格を果たした大津が、アウェーでG大阪を追い詰めた。大津はリスクを回避して、最前線のFW半代将都(2年)や相手DFライン背後へのロングボールを多用しつつ、良い形でセカンドボールを奪った際にはショートパスやドリブルでの崩しにチャレンジ。16分にはMF樋口堅大(3年)、33分にはMF濃野公人主将(3年)が決定的なシュートを打ち込んだ。

 対して、GK駒井幸弘(3年)のファインセーブなどでピンチを逃れたG大阪だが、攻撃面では「(PAまで)積み上げるところで上手く繋がらなかった」(島田貴裕監督)。ゴールに近づけば、U-17日本代表FW唐山翔自(2年)やJ3でゴールを決めたばかりのMF食野壮磨(3年)らの迫力ある崩しやセットプレーで相手にプレッシャーをかけるG大阪だが、この日は荒れた芝の影響もあってその回数を思うように増やすことができない。

 大津は守備面含めて理想の展開だった。濃野が「ボールを回してくる相手に対して前からのプレスをしっかりと練習して、ミーティング通りにハマって前半、自分たちの流れに持って来れた」という大津が、後半にリードを奪う。9分に濃野がエンドライン際をドリブルで切り裂くと11分、左サイドからボールを動かし、樋口が右足シュート。これはDFにブロックされたが、GKの前に落下したボールを1年生MF森田大智が右足1タッチでゴールへ押し込んだ。

 大津の入学式前に部活動をスタートしている新1年生が、「プレミアデビュー戦ゴール」。大いに盛り上がったイレブンはその後も左SB麻生恭平(3年)やCB立野航海(3年)のシュートブロックなど気迫のプレーでG大阪の攻撃を跳ね返していた。

 それでも後半半ば以降、奪ってからの攻撃がロングボール一辺倒になっていた大津に対し、G大阪はセカンドボールを制圧して反撃を加速。30分には食野の左クロスをファーサイドの唐山が頭で合わせる。ゴール至近距離から放った一撃はクロスバーをヒットしてしまったが、31分にFW大谷優斗(3年)とMF久保勇大(3年)を同時投入。攻めるG大阪は44分、食野のスルーパスに大谷が抜け出し、45分にも食野の左足ミドルがクロスバーをかすめた。

 アディショナルタイム表示は3分。大津は白星まであと一歩に迫ったが、G大阪が意地を見せた。後半47分、MF川崎修平(3年)の左CKがゴール前にこぼれると、混戦から大谷が豪快な右足シュートをゴールに突き刺して1-1。その1分後に試合終了の笛が鳴り、白星を逃した両チームはともに悔しがっていた。

 それでも、大津は3年ぶりのプレミアリーグ復帰戦で堂々の戦いだ。苦しい時間帯でも走り続けた選手たちを平岡和徳総監督は「頑張ったね。止まりそうな足を、励まし合いながら良くやっていた」と讃えていた。対戦したG大阪の島田監督も大津のロングボールの精度や球際の迫力を称賛。湘南入りしたCB福島隼斗主将やともに日本高校選抜MF水野雄太とCB吉村仁志らタレントたちが卒業し、苦戦が予想された大津だが、選手たちにとって自信をつける戦いとなった。

 濃野は「(課題は)最後の勝負弱さ。最後足止まって見合ってしまったので改善したい」。目標とする残留以上の成績を残すためには、これからも勝ち点1が大事になってくる。個々のの将来のために、高校年代最高峰リーグで貴重な経験を積む大津は“格上”相手に目標を達成して、後輩たちにもプレミアで戦う機会をもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)
●高円宮杯プレミアリーグ2019特集

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