beacon

[MOM2833]東福岡MF上田瑞季(2年)_ 勝負どころで技術力と運動量発揮した“ネクスト荒木”

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半35分、東福岡高MF上田瑞季が強引な仕掛けからのシュートで2点目を演出

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.6 プレミアリーグWEST第1節 C大阪U-18 0-2 東福岡高 ヤンマースタ]
 
 後半の苦しい時間帯でも走れるプレーメーカー、東福岡高MF上田瑞季(2年)が開幕白星を引き寄せる活躍だ。

 0-0の後半28分、ゴール正面、PA外側の位置でボールを受けた上田は、DF2人に距離を詰められながらも、空いた右横に持ち出して打開。そして、「凄く要求してくれていたので、あとは出すだけでした」と右前方のMF國府田駿(3年)に右足でラストパスを通すと、國府田が縦への持ち出しから先制点を決めた。

 さらに35分、上田は左中間でボールを持つと強引に縦へと仕掛けてPAへ。そのまま左足シュートを打ち切る。渾身の一撃はGKに阻まれたが、こぼれ球をFW岐部総志郎(3年)が押し込んで2-0。「その前にチャンスがあって打たなかったら仲間から『打って良いよ』と言われたので、自分で行こうと思って打ったらちゃんと詰めてくれた」というプレーが、貴重な追加点に繋がった。

 森重潤也監督は上田について「あの時間帯で、あれだけパワフルなシュートが打てる」力とハードワークする姿勢を高く評価する。2月の九州新人大会や3月のサニックス杯ではまだサブ組にいた上田だが、中盤中央でともにプレーするU-17日本代表候補MF荒木遼太郎主将(3年)や國府田の技術やハードワークを参考に努力を継続。3月末の船橋招待大会から先発組に加わり、プレミアリーグ開幕戦で結果を残した。

 昨年、1年生チームで司令塔役を担っていた上田がAチームで先発を勝ち取るために加えた力。それが走ることだ。「運動量の部分でみんなが走れない時に、自分が走れたらいいなと思っていた。それを自分の特長にしていきたいし、技術の部分も少しずつ自信になってきているので、プラスアルファしていければいいかなと思っています」。試合終盤にチームのギアを上げたこの日の活躍は、努力の成果だった。

「ずっと出たい、出たいという気持ちは自分の中で持っていて、練習からひたすらハードワークして来れたかなと思っている。それが結果に繋がった」と上田。ポジション争いが非常に激しいチームの中で、ゴールも決めてレギュラー定着を目指す。

 上田にとって憧れの存在は、昨年のAFC U-16選手権優勝メンバーでもある10番MF荒木だ。「太郎くん、憧れです。ああなりたいです。ボール失わないし、仲間を鼓舞してくれるし、キツイ時に走ってくれたり、そういうところは真似していきたい」。昨年、プレミアリーグや選手権で荒木が背負っていた背番号は18。その番号を受け継ぐ“ネクスト荒木”が「レギュラーを絶対に掴んで、その後プレミアで自分も点獲りたいですし、もっと上の代表とかも狙っていきたいです」という今年、荒木のように飛躍を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●高円宮杯プレミアリーグ2019特集

TOP