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[プレミアリーグWEST]黒星発進の名古屋U-18、昨年天皇杯経験のFW石田「言葉の発信というのはボクから」

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名古屋グランパスU-18FW石田凌太郎が右サイドからの突破を図る

[4.6 プレミアリーグWEST第1節 名古屋U-18 0-2 愛媛U-18 ヤンマーフィー]

 名古屋グランパスU-18の古賀聡監督は「プレッシャーを逆に利用するくらいの駆け引きをしてほしいし、いつもと(ピッチ状況が)違っても止める、蹴るができないといけない」と指摘していた。ボールを支配しながら駆け引きして攻めたい名古屋だったが、荒れた芝によって弾むボールをコントロールするのに一手間かけることを強いられ、ミスも目立つ展開に。だが、古賀監督は技術不足のミスであるとし、それ以上に「自分がやってやる」という姿勢が少なかったことを問題視していた。

「一人ひとりが殻に閉じこもっている。声を上げて刺激し合う部分がまだまだ足りない。日常がそうなんだと思います」。今年の名古屋は前評判の高かったチーム。実際にピッチ上ではボールを保持しながら相手にプレッシャーをかけ続けていた。だが、前半13分に先制され、苦しい展開の中で自発的に雰囲気を変えることができなかった。

 その中、自分の感情を表に出していた一人が、FW石田凌太郎(3年)だった。0-1の前半25分には右タッチライン際でDFと入れ替わるように突破。一気にエンドライン付近まで持ち込んでゴールを脅かした。

 後半には相手背後への動き出しを増加。ギリギリのタイミングでオフサイドになったり、CKを取れずに苛立ちも見せていたが、それでもエネルギッシュなプレーでチームを引っ張っていた。

 怪我明けでコンディションはベストではなかったかもしれない。抜け出す回数をより求められる石田だが、チームの活力になっていたことは確か。「先制されてちょっと静かになってしまったと思うんですけれども、あそこからどこまで巻き返せるかが今年のチームの課題でもあると思うので、そういう言葉の発信というのはボクから出していかないといけないと思います」とより自分から発信していくことを誓っていた。

 石田は昨年8月の天皇杯3回戦・広島戦に先発出場。今年1月にはプレミアリーグ選抜の一員としてイングランド遠征に参加した。怪我や体調不良もあったが、復調の兆し。感覚的なものはまだ100パーセントではないというが、「(イングランドで) 判断の遅さや、止めて蹴るはまだまだだった。もっと一つ一つにこだわってやっていきたい」と危機感も感じてきたMFはその経験をチームに伝え、プレーと声でチームを牽引していく意気込みだ。

 タイトルを「獲る」ことを目指してスタートしたプレミアリーグは黒星発進。それだけに「次の東福岡戦で(自分が)どれだけ右サイドでぶっちぎられるかが鍵になると思う」。注目アタッカーはチームの課題を改善するために、誰より声を上げて走り続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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