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[プレミアリーグWEST]昨年最終節黒星で優勝逃した京都U-18、4ゴールで福岡U-18に逆転勝ち!

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前半15分、京都サンガF.C.U-18MF川崎颯太(右)が勝ち越しゴール

[4.7 プレミアリーグWEST第1節 京都U-18 4-1 福岡U-18 ヤンマースタ]

 京都U-18が4発逆転勝ち! 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019WESTは7日、第1節2日目を行った。18年4位の京都サンガF.C.U-18(京都)と同8位・アビスパ福岡U-18(福岡)との一戦は4-1で京都が逆転勝ち。悲願の初優勝へ向けて好発進した。

 京都は昨年、最終節を迎えた時点で首位・広島ユースと勝ち点1差の2位。広島との直接対決で勝てば初優勝だったが、1-6で大敗して涙を飲んでいる。今季主将を務めるMF川崎颯太(3年)は「去年悔しい思いをしているのでその分、今年に懸ける思いはみんな強いのかなと思います」と口にしていたが、昨年の悔しさを知る選手たちが「全員攻撃全員守備」の特長を発揮して開幕白星を勝ち取った。

 先制したのは福岡の方だった。トップチームに合流していたMF吉村銀河(3年)が前日に合流した福岡は前半5分、吉村とボランチコンビを組むMF渡辺海斗(3年)が自陣PA手前でインターセプト。すかさず縦パスを入れると、スピードを活かして完全に抜け出したFW石井稜真(2年)がGKとの1対1から股間を抜く右足シュートを決めた。

 だが、京都はすぐに奪い返す。8分、自陣中央から2本のパスでMF野浜友哉(3年)がフィニッシュ。このこぼれをFW小宮健(3年)が右足で押し込み、1-1とした。さらに15分には、MF山田楓喜(3年)の右CKをファーサイドの川崎が頭でねじ込んで逆転に成功する。

 今年から京都の指揮を取る手島和希監督は「京都として、全員攻撃全員守備で主導権を握ることを目指しているので、その部分は意識しています」と語り、福岡の藤崎義孝監督は「(これまでよりも)自分たちがボールを持つ時間を長くすること。自信を持ってボールを持つ。そして取り切れるチームにならないと上には行けない」と説明する。

 高い位置からの連動した守備から複数の選手が絡んでゴールを奪った京都と、ミスが出ても繋ぐ姿勢を見せつつ、スピードのある攻撃も狙っていた福岡。開幕戦へ向けて準備してきた両チームは、互いに意図のある戦いを表現していた。

 逆転された福岡だったが、フィジカルコンタクトの強い吉村や渡辺のインターセプトから俊足MF松田知己(3年)を活用した攻撃で決定機。特に後半は相手が攻め切る前にボールを奪って攻撃に持ち込むなど入りから良い時間帯を続けた。

 だが、17分にMF田村奎人(3年)の右ロングスローから石井が競り勝って迎えた決定機は、交代出場MF軸丸大翔(3年)のヘッドがクロスバーを直撃。23分に左クロスから軸丸が再び迎えた決定機も左足シュートがGK北原一樹(3年)に阻まれてしまう。

 押し込まれる展開となった京都だが、最終ラインで190cmCB井上航希(3年)が高さを発揮した。また手島監督が「持てるし、潰しにも行ける。新1年生が90分間頑張ってくれました」と評したMF遠山悠希(1年)が危険なシーンでシュートブロックし、パスをインターセプト。相手に主導権を握られた時間を集中した守りで凌いだ京都が終盤に好守からの速攻で突き放した。

 30分、敵陣右サイドでインターセプトした京都は、小宮がドリブルで仕掛けて中央へラストパス。これを野浜が左足で左隅に決めた。さらに36分には、再び敵陣でのインターセプトからMF中野桂太(2年)が左足で逆サイドへ展開する。これを前向きの状態で受けた野浜がGKのタイミングを外した右足シュートで決めて4-1。「こういうところで決定的なミスが出てしまう。まだまだだと感じました」(藤崎監督)という福岡を「アグレッシブに、ボールを取ったあと速くとか、取られたあと速くとか心がけていつもどおり戦えていた」(川崎)という京都が破った。

 まずは1勝。京都の野浜は「タイトルを獲るという強い気持ちがあるのでしっかりそこへ向けてやっていきたいです」と語り、川崎は「毎試合毎試合気持ちを持って勝ち点を積み上げていきたい」と意気込んだ。シーズン通して高い意識を持ち続け、苦しい試合でも勝ち点を取り続けることが目標。個々が成長することでチームとして成長を遂げて、タイトルを取るに相応しいチームになる。

(取材・文 吉田太郎)
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