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[関東大会予選]目指すのはピッチ内外で自立したチーム。駒澤大高が6発発進:東京

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前半28分、駒澤大高MF清水宏晃が右足ボレーを決めて2-0

[4.13 関東大会東京都予選2回戦 駒澤大高 6-0 南葛飾高 駒沢2]

 駒大高が6発発進――。2019年度関東高校サッカー大会東京都予選は13日に2回戦を行い、年末の選手権に出場した駒澤大高が南葛飾高に6-0で快勝した。駒大高は20日の準々決勝で國學院久我山高と戦う。

 立ち上がりに駒大高のゲーム主将、MF小林蒼太(3年)の決定的なシュートを南葛飾GK堀井大之(3年)がファインセーブ。この後、駒大高は縦への攻撃で押し込むも、選手権予選の敗戦(0-6)の雪辱に燃える都立・南葛飾の粘り強い守備とカウンターの前になかなか先制点を奪うことができなかった。

 それでも20分、駒大高はセットプレーのこぼれから「試合前からどんどん打っていこうと言っていた。こぼれてきたら打とうと思いました」という小林の一撃が今度はゴールを破る。

 先制した駒大高は28分にもCKのクリアボールを拾った右SB森田陸翔(3年)の右アーリークロスのこぼれをMF清水宏晃(3年)が右足ボレーでゴール。32分にも10番MF時田悠人(3年)の左CKをFW佐藤海来(2年)がDFの上から頭で叩き込んで3-0とした。

 南葛飾は左SB青山裕樹(2年)が対人守備で奮闘していたほか、CB鳥飼蓮太(3年)がスーパークリアを見せ、10番MF杉浦理仁(3年)やFW渡邉宣貴(2年)を起点とした攻撃で1点を奪い返そうとする。だが後半も駒大高ペースは変わらず。2分、こぼれ球を拾った時田がドリブルでDFを振り切り、左足でゴール。その後も大野祥司監督が「CBもボランチもどこでもできる」と評する大型MF森尾波月(2年)のラストパスやミドルシュートなどで攻め続ける。

 そして21分に時田が再びドリブルシュートを決めて5点目。交代出場のFW大岡忠義(3年)もゴールを奪った。守っては、昨年のFWからCBに戻ってプレーする原田大渡(3年)やCB小林泰晟(3年)を中心としたDF陣が相手にほとんどチャンスを作らせず、完封勝利を果たしている。

 選手権は地元・駒沢陸上競技場で開催された開幕戦で那覇西高にPK戦で敗退。先発出場した小林蒼が「個人的には何もできなかった。自分は何もできなかったことが悔しかったので、トレーニングからその気持ちはぶつけています」と話したように、選手たちは初戦敗退の悔しさを今年のエネルギーにしている。

 今年の駒大高は「平均値の高い子が多い」(大野監督)という世代だ。力は今年も東京トップクラス。取り組む姿勢なども評価されているが、指揮官は「上級生にけが人が出ている。管理の部分や調整の部分はまだまだ」と引き締める。

 その選手たちが求められていることは「自立」だ。時田は「今年から自立という部分を一番の目標にしている。プレー中も自分で判断しないといけない部分があるし、社会に出ても自立という部分が大事になるので、ピッチ内もピッチ外も考えてやる」という。着実に個々の意識は高くなっているようだが、ゲームキャプテンの小林蒼は足りない部分があることを指摘していた。

「(自立して)自分たちでやらないと意味がないと思う。ピッチ内でもだんだん声が出るようになってきているけれど、ピッチ外ではまだまだ足りない」。それぞれがピッチ内外で意識を高く持ち続け、自立した選手になること。そして自立したチーム、成長し続けられるチームになって、昨年できなかった「東京4冠」(時田)、「『全国で結果を残さないと評価されない』と言われているのでやっていきたい」(小林蒼)という成績を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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