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「正直、負けなかったです」。高速ドリブルに注目の高校選抜SB松尾、世界相手に“もう一つの武器”発揮

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左サイドから攻め上がる日本高校選抜SB松尾勇佑(市立船橋高→関西大)。この日は“もう一つ”の武器で勝利に貢献

[4.18 デュッセルドルフ国際ユース大会 日本高校選抜 2-1 ボルシアMG]

 最大の魅力である高速ドリブルではなく、“もう一つの武器”で勝利に貢献した。日本高校選抜は18日、第57回デュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦でボルシアMG(ドイツ)と対戦。前回大会ファイナルと同カードは再び日本高校選抜が勝利した。後半に同点に追いつかれ、さらに迫力を持って攻めてくる相手をDF陣が食い止めたことが大きな勝因に。抜群の攻撃力を誇る左SB松尾勇佑(市立船橋高→関西大)も守備面での奮闘が光る試合となった。

 本人も1対1の守備では「正直負けなかったですし、当たり負けもしなかった。(試合終了間際の決勝点となる)2点目も自分の守備から行ったので」と世界相手にも納得の守備ができたと感じていた。

 元々、松尾はジェファFCに所属していた中学時代、注目された快足ストライカーだった。市立船橋1年時からチームでチャンスを得ていたが、結果を残すことができず。最高学年になったタイミングで今回の日本高校選抜の指揮官でもある朝岡隆蔵監督(前市立船橋高)にSBにコンバートされた。

 攻撃時にはまるでウィングのようにサイドの高い位置に入り、そこから抜群のスピードを活かした突破で縦やゴール前に切れ込んで決定的な仕事をしてのける。その活躍によって8月にはU-18日本代表に初選出され、今回も日本高校選抜欧州遠征メンバーに名を連ねている。

 どうしても派手な攻撃面に目を奪われがちだが、現在、本当の評価を得ているのは対人での守備力。カバーリングなど課題があることを自覚した上で、本人は「(朝岡)監督も攻撃よりも守備を本当に評価してくれている。1対1の対人ならシーズン中もほとんど負けていない」と自信を口にした。

 ボルシアMG戦では立ち上がりからMF岡井駿典(市立船橋高→中央大)からの展開を受けてタッチライン際から攻め込もうとしていた。決定的な仕事こそできなかったものの、それでも縦への仕掛けでFKを獲得。本人は攻撃面をより求めていたが、“もう一つの武器”である対人守備でチームに貢献できたことを素直に喜んでいた。

 松尾は普段、リバプールの右SBトレント・アレクサンダー・アーノルドらSBの動画もチェックするというが、それ以上に見ているのはパリSGのFWキリアン・ムバッペらアタッカーのもの。攻撃好きなSBは、今回の欧州遠征初戦(対ユトレヒト)ですでにゴールを決めているが、これからさらにゴールやアシストの数字を増やす意気込みだ。

 今回のデュッセルドルフ国際ユース大会は、市立船橋での3年間プラス高校選抜で指導を受けてきた朝岡監督の下で戦う“最後の大会”だ。「SBにしてもらったのも監督なので恩返しできたらいい」と松尾。強豪・関西大でもリーグ開幕戦からベンチ入りするなど期待されるSBは、高校時代に磨いてもらったSBとしての守備力、そして最大の武器である攻撃力を発揮してデュッセルドルフ国際ユース大会で“恩返しの優勝”を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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