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「出たら結果を」。18番目に高校選抜参戦のSB後藤は、得たチャンスで悔しさぶつけた先輩たちのように

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日本高校選抜SB後藤裕二(矢板中央高→順天堂大)はチャンスを掴み、結果を残す

 18番目に参戦したSBがチャンスを掴み、モノにする――。日本高校選抜DF後藤裕二(矢板中央高→順天堂大)は19日、第57回デュッセルドルフ国際ユース大会2日目(20日)のブレーメン(ドイツ)戦、フランクフルト(ドイツ)戦へ向けてトレーニング。全体練習後の自主練習では、同じSBの松尾勇佑(市立船橋高→関西大)とともに右サイドからクロスを上げ続けていた。

 2-1でボルシアMGに競り勝った初戦は出場機会なし。だが、連戦となる2日目は出場チャンスが増える。対人の強さとスプリント力に加え、得点力も兼ね備えるSBは「25分ハーフで短い時間で交代も限られてくるんですけれども、そこで出たら結果を残したい。点だったり、アシストだったり、そこで絡めたらスタメンのチャンスが出てくると思う」と結果にこだわることを誓っていた。

 後藤は1月の日本高校選抜選考合宿で猛アピール。途中出場でもメンバー入りへ誰よりもギラギラした思いを見せ、攻守に走り回っていた後藤は、チームにエネルギーをもたらしたことも評価されて日本高校選抜入りを勝ち取った。

 その後、日本高校選抜に帯同し続けてきたが、3月29日に発表された欧州遠征18名のメンバーリストには名がなかった。当時、落選をとても悔しがっていたが、日本高校選抜のコーチ陣から18人同様の評価を得ていた後藤は、FW西川潤(桐光学園高3年)の辞退によって、追加招集。欧州遠征に参加するチャンスを得た。

 後藤は進学した強豪・順天堂大で関東大学リーグ1部開幕戦で先発出場。新しい環境での生活がスタートさせた上で、もう一度モチベーションを上げて日本高校選抜でエネルギーを発揮するのは容易なことではない。

 粘土質の慣れないピッチに苦戦するなど、ここまで十分なアピールができず、出番を増やすことができていない。日本高校選抜は所属チームでエース級の選手ばかり。高校選抜で全員が先発出場し続けられる訳ではない。後藤の他にも出番を増やせずにいる選手がいるが、過去には同じような立場から出場した際に結果を残した選手たちがいる。

 昨年の高校選抜ではデュッセルドルフ国際ユース大会初戦、2戦目とサブ組だったFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)とFW荒木駿太(長崎総合科学大附高→駒澤大)が得たチャンスでハードワークを貫き、準決勝、決勝ではともに先発出場。準決勝で荒木が、決勝では佐藤がいずれも決勝点を決めて優勝に貢献している。一昨年もMF大塚諒(前橋育英高→立教大)が初先発した5位決定戦で開始3分に先制ゴール。その2分後にPKを獲得するなど悔しさを力に変えている。

 後藤も悔しさをエネルギーに変えて、出番を得た際に表現するだけ。「自分の持ち味の対人は海外の選手相手にも負けていない部分だと思うし、そういうところを出してアピールして、ボール奪った後からのカウンターとかに絡みながら決定機を作り出したい」と意気込んだ。

 1月の選手権では、札幌ですでにプロ初ゴールを決めているMF檀崎竜孔(青森山田高)とのマッチアップで奮闘。「檀崎とやれたことが一番ここに繋がっていると思います」という後藤はそこで得た自信と、先にプロ入りした檀崎と同じステージに立ちたいという思いの両方を持っている。今回、18番目に加わった欧州遠征で少しでも多くの経験を掴むこと。残り3日間のデュッセルドルフ国際ユース大会で海外の強豪クラブの才能たちと戦うチャンスを得て、また自信と課題を体感して、将来に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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