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甲府FW宮崎のミドル弾で先制した日本高校選抜、終盤に追いつかれるも予選リーグ突破へ貴重なドロー

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後半7分、日本高校選抜はFW宮崎純真(山梨学院高→甲府)が右足ミドルを決めて先制。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.20 デュッセルドルフ国際ユース大会 日本高校選抜 1-1 フランクフルト]

 日本高校選抜、予選リーグ突破へ望み繋ぐドロー。日本高校選抜は20日、第57回デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ第3戦でフランクフルト(ドイツ)と対戦し、1-1で引き分けた。1勝1分1敗とした日本高校選抜はグループ1で2位をキープ。21日の予選リーグ最終戦で準決勝進出を懸けてブラガ(ポルトガル)と戦う。

 1-0の後半残り4分に追いつかれて引き分け。守りきれずに喫したドローを選手たちはとても悔しがっていた。それでも、星の潰し合いの様相となっているリーグの中で、勝ち点を4に積み上げていることは大きい。選手たちはブラガ戦との大一番での必勝を誓っていた。

 フランクフルト戦の先発メンバーは2人を入れ替え、2-1で勝ったボルシアMG戦に戻す形となった。4-3-3システムのGKが飯田雅浩(青森山田高→国士舘大)で4バックは右白井陽貴(矢板中央高→法政大)、CB西田翔央(東福岡高→早稲田大)、CB豊島基矢(青森山田高→順天堂大)、左SB松尾勇佑(市立船橋高→関西大)。中盤は岡井駿典(市立船橋高→中央大)、天笠泰輝(青森山田高→関西大)、秋山裕紀(前橋育英高→新潟)の3人で構成。3トップは頂点に位置する染野唯月(尚志高3年)の後方に、宮崎純真(山梨学院高→甲府)、バスケス・バイロン(青森山田高→いわきFC)が構えた。

 前半は朝岡隆蔵監督(前市立船橋高)も「崩れなかったですね」と振り返ったように、守備組織が安定していた。前から追うところと守備陣形を整えるところを判断良くしながら隙を見せずに守っていく。前半7分にはビルドアップのミスからピンチを招いたが、GK飯田がファインセーブ。攻守の軸である岡井や、これまでのオフェンシブから下がり目の位置を取った天笠がバランスを取りながら守り、攻撃も松尾の攻撃参加などサイドから攻めてCKの数を増やし、秋山、天笠のキックから西田、バイロンがヘディングシュートを放った。

 日本高校選抜は後半開始から秋山に代えてMF鈴木唯人(市立船橋高3年)を投入。4分には左サイド側から持ち込まれてシュートを浴びたが、飯田が連続でファインセーブする。特に2本目は顔面ブロック。守護神の執念の守りもあって0-0で試合を進めた日本高校選抜はJリーガー、宮崎のファインショットでスコアを動かした。

 7分、西田が空中戦で上手く相手に体を当ててボールを奪うと、カバーした豊島が前線へロングボールを入れる。これをバイタルエリアで上手くコントロールした宮崎がDFを外してから右足一閃。GKが一歩も動けないミドル弾をゴール左隅へ決めて先制した。

 宮崎は「ハーフタイムに朝岡さんがもっと(ボールを)引き出せと。逆サイドで攻められている時に反対のシャドーのスペースが前半空いていたので、そこで上手く引き出せたのが良かったと思います。1試合目全然ダメだったので、どんどん打って行こうと思っていた。あの形、ミドルシュートは得意な形なので上手く入って良かったです」

 均衡を崩す宮崎のゴールに日本高校選抜の選手たちは喜びを爆発させる。日本高校選抜は8分にも白井のくさびのパスからバイロン、染野と繋ぎ、最後は鈴木がフィニッシュ。14分にもバイロンのスルーパスから白井が決定的な形でゴール前に折り返すなど追加点のチャンスを作った。

 後半は日本高校選抜が獲りに出たこともあって、徐々にオープンな展開に。日本高校選抜は宮崎やバイロンへの縦パスが通る展開となっていたが、逆に相手のボールホルダーに対して寄せきれずにシュートや決定的なクロスを浴びてしまう。

 我慢の展開となったが、守護神・飯田の好守や西田、豊島の粘り強い対応などでリードを保っていた。それでも、25分ハーフの後半21分、左サイド側から相手のスピードに振り切られる形でクロスを上げられると、中央にぽっかりと空いたスペースから同点ゴールを決められた。

 日本高校選抜は直後に天笠をMF武田英寿(青森山田高3年)へスイッチ。25分にはバイロンのスルーパスに宮崎が走り込んだが、GKにシュートコースを消されてストップされてしまう。アディショナルタイムに迎えたカウンターのチャンスもオフサイドで逸し、1-1で引き分けた。

 日本高校選抜は消化試合が1試合多いものの、突破圏内の1グループ2位で予選リーグ最終日へ。やや他力本願の部分もあるが、ブラダに勝てば2位以内を確保する可能性が高いだけに、選手、コーチ陣は21日の試合に切り替えていた。

 飯田は「勝ち切る力が無いといつも感じますし、最後の最後で一瞬の隙を見せてしまう。全員で声がけしないといけない」と指摘。「でも、明日勝てば予選突破する可能性が高い。あと向こう(ブラダ)は午前中にブレーメンと戦ってから午後に自分たちと試合。自分たちはその1試合だけなのでそこに懸けて行きたいです」と力を込めた。全員で最後まで集中して、戦い抜いて準決勝への切符を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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