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FWバイロンが日本高校選抜の士気上げるゴール。欧州でも「通用するのは当たり前に」「結果でもっと差を」

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日本高校選抜MFバスケス・バイロン(青森山田高→いわきFC)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.20 デュッセルドルフ国際ユース大会 日本高校選抜 1-3 ブレーメン]

 間違いなく、日本高校選抜の士気を上げるゴールだった。0-3の後半終了間際、日本高校選抜は左サイドでMF武田英寿(青森山田高3年)、WB豊島基矢(青森山田高→順天堂大)と繋ぎ、ペナルティーアークへランニングしてきていたFWバスケス・バイロン(青森山田高→いわきFC)へマイナスのクロスが入る。ボールを受けたバイロンは得意の切り返しでDFを外し、左足シュートをゴールに叩き込んだ。

 0-2で折り返して迎えた後半、それぞれが何とかしようとしていたが、十分に表現ができないまま3度目の失点。落胆の色が濃くなったチームの中で背番号11は身体を張り、戦い続けていた。

 そして、3時間半後に控えていたフランクフルト戦へ向けて大きな1点。気持ちを持ち直して臨んだフランクフルト戦では苦しみながらも引き分けただけに、GK飯田雅浩(青森山田高→国士舘大)も「切り替えるという意味でバイロンのゴールが大きかった」と感謝していた。

 ブレーメン戦でCFとして先発したバイロンは、最前線で180cm台後半の相手CBとエアバトル。加えて、初戦で課題となっていたボールを受ける部分で工夫し、その回数を増やしたことでチャンスにも絡んでいた。前半半ばに相手DFから激しく削られ、「マジで痛いです」という負傷の影響もあったはずだが、後半も奮闘。そして、ゴールを決めた。

 予選リーグが得失点差勝負になることも考えても貴重な1点。その一撃については「あれは自分が考えてやった結果」と振り返る。これまでは相手のDFラインに張り付き過ぎるケースが多かったが、このシーンではブレーメンの守りの状況を確認し、狙っていたスペースにタイミング良くスプリント。そして自分の形で決めた。

 選手権決勝で埼玉スタジアムの大観衆を大いに沸かせたアタッカーは、これまで青森山田高やいわきFCで学んできたことに加え、朝岡隆蔵監督(前市立船橋高)率いる日本高校選抜でも学ぼうとする姿勢が強い。ゴールシーンは朝岡監督から再三指摘されてきたことを自分なりに表現してのゴール。数年以内にJリーグや海外でのプレー、またチリもしくは日本で代表入りを実現することを本気で目指しているレフティーは「ここ(高校選抜)に来たからには日々成長して終わる、そして、次のこれからのサッカー人生に活かすということでここに来ているので、日々色々なことを吸収しながらやっていきたいです」と力を込めた。

 この日の第2試合では痛み止めを飲んで戦いながらも、ドリブルで持ち上がり、スルーパスなどで決定機を演出。ボールを引き出す部分や守備面はまだまだで味方からも指摘されている部分が多いが、自分の強みの部分では、海外の才能たちとの力試しで“やれる”手応えを得たようだ。

「正直、そんな差とかを感じないし、通用している部分が多い。通用するのは当たり前にして、その上で自分に求められているのは結果なので、結果でもっと差を見せつけるべきだなと思います」とバイロン。この日、試合後の食事会場で、ブレーメンのスペイン育ちの選手とスペイン語で会話し、トップチームに昇格している選手の有無や自分たちが勝ち上がるためにライバルチームに「連勝してほしい」と頼んでいた。

 消化試合が1試合多い日本高校選抜は現在、予選リーググループ1で2位。グループ4位以下に転落すると、最終日は試合がなくなってしまう。残り2日間で最大3試合戦って優勝とさらなる成長を果たすために、バイロンは21日のブラガ(ポルトガル)戦も結果にこだわって戦う。

(取材・文 吉田太郎)
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第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会公式サイト(別サイトに移動します)

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