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連覇逃したレアル、愛称通り“ピピ”中井が涙「いい経験になった」

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閉会式後の記念撮影では笑顔をみせる中井卓大

[4.21 U16キリンレモンCUP決勝 レアル・マドリー1-1(PK2-4)FC東京]

 “ピピ”ことMF中井卓大の所属するレアル・マドリーのカテーデA(U-16)は、U16キリンレモンCUPの決勝でFC東京U-16に1-1から突入したPK戦の末に2-4で敗れた。昨年の第1回大会に続く優勝を目指したレアルだったが、連覇はならなかった。

 世界有数のビッグクラブで鍛錬を続ける15歳の“凱旋”に、湘南の街は今年も大いに盛り上がった。“ピピ”擁するレアル・マドリーの選手らがバスから会場入りする際にはその通路で長蛇の列が作られ、多くの人がサインやハイタッチを求めていた。

 ただ順調に決勝まで勝ち上がったレアル・マドリーの前に、“日本の意地”が立ちはだかる。世代別代表経験者を多く揃えるFC東京との対戦になると、開始1分で失点。後半3分にMFチャモンの鮮やかなミドルシュートで試合を振り出しに戻したが、PK戦の末に敗れることになった。

 勝敗が決した瞬間、中井はピッチに背をついて倒れ込み、腕で顔を抑えた。抱き起されると、ユニフォームで何度も顔を覆った。愛称のピピはサッカーで上手くいかないことが多く“ピーピー”と泣いていたことからつけられたと言われている。愛称通りのピピの涙がそこにあった。

「決勝なので勝ちたかった。でも全部が上手くいくわけじゃないので、これからも頑張ろうと思います。デカいトロフィーをマドリーに持っていきたかったですが、僕もだし、みんながいい経験になった。勝ちたかったですけど、これ(負けたこと)で学ぶことが出来たので、帰って頑張ります」

 今後、世代別日本代表としても活躍に期待が集まる中井。今年10月にはU-17ワールドカップの開催も予定されており、飛び級で選出される可能性もある。ただこれについて中井は「行きたいですけど」としたうえで、「目指しているのはA代表」とキッパリ。「このまま人間性やサッカーで成長して、上まで行けるように頑張ります」と力強く話していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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