beacon

[プリンスリーグ中国]後半ラストプレーでMF片淵が決勝点!立正大淞南が就実との再戦制す

このエントリーをはてなブックマークに追加

立正大淞南高は後半アディショナルタイムにMF片淵竜鳳(13番)が決勝点

[4.20 高円宮杯プリンスリーグ中国第3節 立正大淞南高 1-0 就実高 松江市営補助競技場]

 中国地区の高校およびJユースの計10チームで争われる高円宮杯 JFA U-18 サッカープリンスリーグ2019中国の第3節が4月20日に開催。立正大淞南高(島根)と就実高(岡山)の対戦は、1-0で立正大淞南が勝利を収めた。

 5分と表示された後半アディショナルタイムも終わろうとしていたときだった。立正大淞南は左サイドからエリア内に割って入ると、MF佐倉翔武(3年)の落としを、MF片淵竜鳳(3年)が右足で蹴り込んでネットを揺らす。再開のキックオフなしで試合終了のホイッスルが鳴る、まさにラストプレー。公式記録で後半45+5分の決勝点によって、立正大淞南が勝ち点3をもぎ取った。

 3月の中国新人大会の準決勝で対戦したときは、前半で2-0とした立正大淞南が最終的に4-1で勝っているカードだが、この日はなかなか得点が生まれなかった。立正大淞南は前半15分、ゴール前のFKをFW石橋克之(3年)が直接狙ったが、就実GK牧野匠悟(3年)がファインセーブ。就実も23分にMF青木慧大(3年)の右サイドでの突破から、中央でのこぼれ球をFW野口悠吾(3年)が狙ったが、立正大淞南GK豊田純平(3年)の正面を突いた。前半終了間際には立正大淞南FW石橋がスペースへ抜け出してシュートを放つも、就実GK牧野が再び好セーブで防ぐ。

 スコアレスで迎えた後半、3分に立正大淞南DF澤田琉ノ介(3年)が、ゴール右にわずかに外れる際どいボレーシュートを放てば、16分には就実MF小西遼が左サイドから狙ったが、立正大淞南GK豊田が好反応で防ぐ。さらに就実は、このプレーで得たCKからゴール前で混戦となり、主将のMF湯淺怜夫(3年)が押し込んでネットを揺らしたが、ファウルの判定で得点は認められなかった。

 終盤は、足をつる選手が出るなど疲労を感じさせる就実に対し、立正大淞南が多くのチャンスを作った。34分にMF山田真夏斗(3年)からのパスを受けたMF片淵がシュートを放つが、ジャストミートせずにゴール左へ。アディショナルタイムに入った後半45分+1分には、再び山田のパスから片淵が狙ったが、今度はクロスバーに当たって決まらない。しかし、それでも最後まで攻め続け、冒頭のように片淵が土壇場で決勝点をもぎ取った。

 立正大淞南の南健司監督は、中国新人大会の就実戦で2得点1アシストと活躍した片淵を、この日は控えスタートで後半開始から投入した判断を「自分の問題」としながらも、「中盤が全く機能しなかった」と、特に前半の低調な内容に言及。最後に勝ち点3をもぎ取る勝負強さは見せたものの、試合後は選手たちに「勝ったからいい、で終わるチームになるな」と語りかけ、今後のスケールアップを促した。

 開幕戦は瀬戸内高(広島)と2-2の引き分け、前節は広島皆実高(広島)を1-0で下した立正大淞南は、これで2勝1分けとして、3戦全勝の米子北高(鳥取)に次ぐ2位。開幕から3試合連続得点、破壊力抜群のドリブル突破でも相手の脅威となった片淵は、試合終了直前のゴールを「絶対に決めてやろうと思っていた」と振り返る一方で、「淞南らしい、3人からのシュートで得点を決める形をもっと増やしたい」とコメント。主将のFW石橋も「相手に押される時間帯は必ずあるので、チーム全体で乗り切ることを今後も課題にしていきたい」と、さらなる成長を誓った。

(取材・文 石倉利英)
●高円宮杯プリンスリーグ2019特集

TOP