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杉岡&金子は市船時代の級友…eJリーガー・スレッジは湘南の一員として“重み”背負う

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湘南ベルマーレの専属プレーヤー・スレッジ

 サッカーゲーム『FIFA19』を使用する『FIFA19グローバルシリーズ eJ.LEAGUE SAMSUNG SSD CUP』の決勝ラウンドが28、29日に開催された。湘南ベルマーレに所属するeJリーガーであるスレッジは、初めてのオフライン大会に戸惑いつつも、少しずつ湘南の一員としての自覚を芽生えさせていた。

 28日のグループステージ、決勝ラウンド1回戦で勝ち進んだスレッジは、29日の準々決勝でしーしーぶいと対戦した。オンライン予選を勝ち進むことでクラブ代表となる今大会で、しーしーぶいはFC東京の代表として参加。一方、スレッジは所属する湘南からの推薦選手として戦いに挑む。試合は2試合合計で勝敗が決するホーム&アウェー方式で行われた。

 市立船橋高のサッカー部で培った“リアル”なサッカー観で戦いに挑み、前半から2得点を奪ったスレッジ。しかし後半に入ると、eスポーツ特有の“ゲームに特化したプレー”に少しずつ追い詰められていく。

「少し余裕が出てきて、緊張がほぐれてきたんですけど、逆に相手の追う姿勢の強さというか、勝ちにこだわってくる相手のプレーに圧されてしまった」

 対戦相手のしーしーぶいは後半6分、最終ラインから超ロングパスを放つと、PA手前でノートラップランニングボレー。現実世界でもゲーム内でも難度の高いスーパープレーでゴールネットを揺らす。同20分にもしーしーぶいは2点目を挙げ、2点先取のスレッジは第1戦で2-2のドローに持ち込まれてしまった。

 第2戦でも先制したスレッジだが、その後再び2失点して1-2に。2試合合計3-4となり、4強入りは果たせなかった。

 初めてのオフライン大会は「緊張したし、ワクワクしたし。楽しい大会でした」と振り返る。改めてトッププレーヤーと対戦し、「サッカーとゲームの違いを感じた。人それぞれの戦い方があって、一人ひとりに合わせた戦い方が大事になる」と試合内容を省みた。

 2018年12月に湘南は『FIFA19』の専属eJリーガーを募集。スレッジはオンライン予選を勝ち上がり、オフラインの決勝大会でも頂点に立った。その後、2月下旬に正式契約に至り、湘南ベルマーレの一員になった。

 高校時代の同級生でもあり、サッカー部のチームメートでもあったDF杉岡大暉とMF金子大毅とは再び同じ環境で過ごすことに。とはいっても、頻繁にクラブハウスに行くことはなく、たまに会ったら高校時代のように声を掛け合っている程度だという。

 イベントや大会に参加するとき以外は普通の大学生。しかし、今大会に出場したことで心境の変化もあった。準々決勝には湘南のフロントの方々が応援に駆け付けていた。「予選を勝ち進んできた人たちとは違って、ベルマーレの所属として出場したので」。正式契約から約2か月が経ち、クラブの期待を背負う“重み”を強く感じ始めていた。

「自分はeスポーツ選手ということで、(サポーターにも)まだベルマーレの一員として見られていないかもしれない。でも大会を見てくれた方もいると思うので、eスポーツってこういうものなんだなって、自分自身のこともわかってくれたらいいなと思いました。今回はベスト8という悔しい結果に終わったんですけど、この大会を糧にこれからもっと強くなって、世界大会に出場できるように頑張りたいです」

(取材・文 石川祐介)

●FIFA19グローバルシリーズ eJ.LEAGUE SAMSUNG SSD CUP

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