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[MOM604]関西学院大MF山本悠樹(4年)_ボランチ転向のエース、圧倒的攻撃力は健在

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MF山本悠樹(4年=草津東高)

[4.27 第97回関西学生サッカーリーグ・前期第4節 関西学院大3-1京都産業大 アクアパルコ洛西]

 相手の背後を狙うボールが強風で押し戻されるコンディション。風で思うようにゲームが組み立てられない中、粘り強く闘うチームを引っ張ったのが、この日全得点に絡んだMF山本悠樹(4年=草津東高)だ。

 前半25分に右サイドからのクロスボールを、ゴール前でFW中村匡克(3年=洛北高)が落とすと、DFの空いたコースを見逃さず、山本がゴール右上に決めて先制。しかし、同30分に京産大FW堤原翼(3年=京都橘高)の巧みなシュートで同点とされてしまう。風上に立った後半は、優位にゲームを進めつつも、京産大の堅い守りの前に得点を奪えない時間が続くが、後半35分にCKでDF竹本将太(4年=横浜市立東高)の勝ち越し弾をアシストすると、アディショナルタイムには自らが得たFKで直接ネットを揺らし、勝利の立役者となった。

 昨年の秋にトップ下からボランチへとコンバート。高橋宏次郎ヘッドコーチはその意図を「ボランチの位置で山本が相手を剥がしてくれるので、前の選手にオープンに配球することができる。守備でも戻す場面や奪いどころの予測が速い」と話す。最初は戸惑いもあったと言う山本だが、新しい場所でさらに輝きを放っている。

 ポジションがひとつ後ろになったにも関わらず、今シーズンは関西選抜として闘ったデンソーカップチャレンジサッカーも含む、この京産大戦まで出場したすべての公式戦で得点もしくはアシストを記録。活躍に伴って、相手からのマークも厳しくなっているが、「きつくマークが来られても、前の選手ががんばってバイタルエリアが空いたところで入ればシュートコースができる。惜しまずに、フリーで斜めに走り、攻撃で前に入る」と意欲を見せる。

 ボランチに転向した当初は「量を走って、間を使うって感じだった」と振り返るが、いくつかのJリーグチームに練習参加したり、全日本大学選抜のショートキャンプに選ばれたことで、自分に対する基準も上がり、チームを引っ張る責任感も増した。「学んできたことを、関学に持って帰ってやる。引っ張る立場として、苦しい状況でもいつも通りやることで、みんながやりやすいと思えるように示したい」と4回生として、エースとしての自覚は十分だ。どんな状況であっても山本のぶれないプレーが標となり、仲間とともに目指す道へと突き進む。

(取材・文 蟹江恭代)
●第97回関西学生リーグ特集

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