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[MOM605]中央大FW上村尚輝(2年)_昨季は「一番下のチーム」の控え、急成長決勝弾

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決勝点を決めたFW上村尚輝(右)


[5.3 関東大学L1部第4節 流経大1-2中大 たつのこ]

 ファーストタッチだった。後半30分に投入された中央大のFW上村尚輝(2年=桐蔭学園高)は、同34分のCKに集中していた。すると一瞬、自分についていたマークが外れたのが分かった。無心でクロスに頭に当てると、ボールはゴールネットに突き刺さった。

 昨季は「一番下のチーム」でプレーした。インディペンデンスリーグ(Iリーグ)で2部を戦ったBチームでも控え。7得点を決めたが、すべて途中出場でのものだった。

 今季始動時にもトップチームに絡めていなかったが、FWに怪我人が出たことで、開幕直前になって出番が回ってくることになった。公式プログラムに掲載される開幕前の30人の選手登録には間に合わなかったが、背番号31をつけて開幕戦のベンチに座ることになった。

「今年シーズン始まったときは想像していなかった。誰も思っていなかったと思うし、まさか自分もここまで来れるとも思っていなかった」

 開幕戦は「めちゃめちゃ緊張した」というが、続けてベンチに入ることで緊張は徐々にほぐれていった。そして前節、4月28日の早稲田大戦に途中出場して関東リーグ戦デビュー。「意外と周りが見えていた」というように、違和感を感じることなくプレーすることができた。

 迎えた出場2試合目。今度は何としても結果が欲しいと意気込んでいた。佐藤健監督には「やって来い」と送り出されていたという上村は、「普段練習しているセットプレーの形だった。練習してきた甲斐があった」と充実の表情で振り返っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●{{第93回関東大学L特集

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