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【令和を迎えて】「もうひとつの高校選手権」で栄光と挫折を味わった元永福学園エース赤須「日本代表の夢は絶対につかむ」

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日本代表候補合宿に参加した赤須勝一郎(後列左から3人目)

令和時代がはじまり、新時代をリードする期待の若手選手を7人紹介する連載の第4回目は、知的障がい者フットサルの日本代表候補に入った赤須勝一郎だ。10月、豪州・ブリスベンで行われる世界大会にむけた日本代表候補合宿がきょう4日から都内でスタートする。

「合宿に参加させてもらうのは2回目です。僕はもともとスピードがあるほうではないので、サッカーよりフットサルの方が合っているかもしれません。サッカーでも、フットサルでも日本代表にはなってみたい、という夢があるので絶対につかみたい」

 赤須はこの2月に行われた「第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権(もうひとつの高校選手権)」で準優勝した永福学園を卒業し、昭和初期に創業した老舗の焼肉レストランに就職。調理補助の仕事をしながら新しい生活リズムを作ることに専念しており、まだサッカーやフットサルをプレーするチームは決めていない。仕事の合間に個人練習に取り組んでいる。

 赤須は足元の技術の高さや攻撃センスを買われ、永福学園で1年から公式戦に出場し、その年の全国選手権で日本一に輝いた優勝メンバーだった。2年時はチームが全国選手権に出られなかったが、3年になると主将に選ばれ、2月の全国選手権も決勝まで進出。しかし、同じ東京の強豪・志村学園に0-2で敗れた。赤須は試合後、人目もはばからずに泣き崩れた。高校3年間で「栄光」と「挫折」を両方味わった。

「どんな規模の大会でも、勝っても負けても試合が終わって最後は必ずミーティングをして終わっていたんですが、(決勝の)あの試合だけはみんな着替えたら、バスに直行でした。あの試合、僕はチャンスが3本ぐらいあったのに決めきれなかった。後半、FKから直接ゴールを狙ったシュートの中には、枠も完全にとらえていたシュートもありました。でも、FKは大会入るまで全然練習していなかった。練習の日はグラウンドにはいつも早めに行っていたのですが、GKはGK同士で別の練習をしていたので、『無人のゴールに蹴ってもあまり意味はない』と考えて、チームの戦術練習のほうに時間を使いました。でも今考えると、そういうところで甘さがあったと思います」


 今、サッカーやフットサルで高校時代の教訓を生かす場は見つかっていないが、仕事では「甘さ」が許されない場に身を置いている。入社後まもない赤須は、すでに調理場に入っており、上司からのリクエストを次から次へと消化していかなければいけない。食品を扱うため、手洗い、うがいのみならず、ひげも下宿先できちんと剃ってくる。赤須は上司からの指示に対して理解が不十分だったり、自分ができないことはメモを取り、早く「戦力」になろうと奮闘中だ。

 入社してまだ1か月。無事に入った初任給で、育ててくれた両親や高校時代の担任の先生に感謝の気持ちを示した。

「先生は女性だったのですが、何が好みかわからなかったので、チョコレートを贈りました」

 照れくさそうに語った赤須だが、4日からはじまる日本代表候補合宿でアピールして、10月の世界大会に日の丸をつけてピッチに立つことができれば、担任の先生はきっとチョコレート以上に喜んでくれるはずだ。

【知的障がい者サッカー&フットサルの今後の予定】
▼5・4~6
フットサル日本代表候補合宿
▼5月下旬
サッカー日本代表合宿
▼7~9月(日時未定)
フットサル日本代表強化合宿
▼10・8~21
フットサル日本代表 INAS GLOBAL 2019

(取材・文 林健太郎)

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