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日韓W杯のイタリア戦誤審疑惑のモレノ氏、判定に自信「レッドカードを見逃しただけ」

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 2002年日韓ワールドカップの韓国対イタリア戦で主審を務めたバイロン・モレノ氏が5日、母国エクアドルのユーチューブチャンネル『Futbol Sin Cassette』に出演し、誤審問題について振り返った。

 エクアドル人元審判員のモレノ氏は、2002年日韓W杯決勝トーナメント1回戦の韓国対イタリアを担当。試合では韓国選手によるラフプレーを見逃す一方、ダミアーノ・トンマージのゴールデンゴールを取り消すなどしてイタリアに不利な判定を下した。この結果、イタリアは延長戦に入った117分、アン・ジョンファンに決勝点を許して敗退が決定。試合の行方を左右する疑惑の判定を繰り返した主審のモレノ氏に対し、大会終了後も数多くの批判が浴びせられた。

 そのモレノ氏が17年の時を経て、誤審問題について口を開いた。インタビューの予告では、ジャンルカ・ザンブロッタに対する背後からの悪質なファウルについて、「レッドカードに値した」と過ちを認める発言を見せており、イタリア『メディアセット』も本編の公開に注目していたが、「ジャッジを後悔しているかに思われたが、その反対のようだ」と戸惑いを見せることになった。

 モレノ氏は、自身の韓国対イタリア戦のジャッジに「8」との採点をつけて胸を張った。フランチェスコ・ココに対するファウルについては、「これは見ていなかった。見ていればファウルをとったが、別の選手がいて見えず、難しかった。副審が私をサポートしてくれなかった」と主張。またココが流血したシーンについては、「負傷したのは、ボールから離れた場所で(ジェンナーロ)ガットゥーゾと接触したときだ。韓国選手との接触ではない」と続ける。

 またパオロ・マルディーニの頭部への蹴りについては、「見てくれ、こんなに前に選手がいる。韓国選手はボールを蹴るのに必死だったのだろう。私の位置からは見えなかった」と主張。さらにペナルティエリア内でフランチェスコ・トッティが倒されたシーンについては、「プレーを台無しにしようとしたのはトッティだ。韓国選手は先にボールを触ってからトッティに触れた」と述べ、トッティのシミュレーションとした自身の判定を一貫して肯定した。

 続いてイタリアのゴールがオフサイドにより取り消された場面に関しては、「私がいた場所からどうすれば見えるというのか。オフサイドではなかったが、これは副審が私に伝えるべきことであり、私が言うべきことではない。私には、オフサイドかどうかを判定するのは不可能だった。副審が旗を上げたので笛を吹いたまでだ」と結論付けた。

 またモレノ氏は、試合終了後、トッティや当時のイタリア代表指揮官ジョバンニ・トラパットーニとの面会を求めたことも明かしている。

「試合終了後にトッティやトラパットーニと話をできないかと尋ねたが応じてもらえなかった。私がイタリアを敗退に追い込んだ? いや、私ではない。レッドカードを見逃したかもしれないが、イタリアを敗退に追い込んだわけではない。トラパットーニは臆病だった」
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