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ロアッソアカデミー初の年代別代表、CB片桐羽馬人は謙虚に「這い上がっていく」

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ロアッソ熊本ユース{ロアッソ熊本U-18のCB片桐羽馬人は最終ラインで快勝に貢献

[5.5 高円宮杯プリンスリーグ九州第6節 熊本ユース 3-1 神村学園 嘉島町総合運動公園多目的競技場]

 ロアッソ熊本ユースの中山貴夫監督はCB片桐羽馬人(3年)について「空中戦で負けたところは見たことがない」と微笑む。「技術的なところはまだまだ。でも相手が見えるようになってきました」と課題を指摘する一方で認めている成長の跡。180cm超の長身を武器に空中戦で強さを発揮するDFは、課題と向き合いながら、同世代のタレントたちを追っている。

 この日は最終ラインの柱として奮闘。対戦した神村学園高の前線には高さやパワーがあったが、片桐は制空権を握り、PAへ飛び出してくる相手をブロック。キックは右足中心になってしまっていたが、それでもストレスなくボールを動かしていた。

 02年早生まれの片桐は、17年にU-15日本代表ウズベキスタン遠征メンバーに初選出。これはロアッソ熊本のアカデミーにとっても初となる年代別日本代表チーム選出だった。国内トップレベルの選手たちとの海外遠征を経験したCBは、「自分がそういう高いレベルを経験している以上、チームの中心となってプレーをしなければいけない」という責任感を持って高校最終年に挑んでいる。

 ただし、その姿勢は非常に謙虚。「自分は這い上がって行く感じです。誰を意識とか全然なくて、足下の技術がないので泥臭くチームをカバーしていきたい」。自分ができることはヘディングや身体を張ること、持ち味の運動量の多さを活かして走ること、そして声を張ること。代表歴は一度だけで“スペシャル”ではないことを自覚しているCBは、チームの勝利のためにできることをひたむきにやり続ける構えだ。

 2年前に代表チームに入って経験して感じたことがある。「代表の選手は技術を持っているのはもちろんなんですけれども、みんな自分の意見を持っていて、自分のやりたいこととかを主張してくれるんでそういうところが大事なのかなと思います」。片桐はまだまだ戦術的な声がけが足りないと自己分析。それでも主張することを大事にし、小さなことから声がけするようにしている。

 ともに海外遠征を経験したタレントたちは今秋、U-17ワールドカップを控える。「一緒にプレーした仲間がアジア予選とかで活躍しているのは悔しいですし、もう一回チャンスがあるならば自分もそういうところで戦っていきたい」。プリンスリーグ九州や全国大会で結果を残せば、チャンスを与えられる可能性もある。それを信じて、ひたむきに目の前の相手を封じ続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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