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[関東大会予選]“千葉のドリブル軍団”中央学院がドリブルで決勝PK奪い、堅守も発揮。12年ぶりに関東大会進出!

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“千葉のドリブル軍団”中央学院高が12年ぶりに関東大会へ

[5.11 関東高校大会千葉県予選準決勝 中央学院高 1-0 暁星国際高 オリプリ]

 “千葉のドリブル軍団”、関東切符獲得――。2019年度関東高校サッカー大会千葉県予選準決勝が行われ、中央学院高暁星国際高に1-0で勝利。初の決勝進出と、第50回記念大会に千葉3位として出場した2007年度以来、12年ぶり2回目となる関東大会進出を決めた。中央学院は12日の決勝で専修大松戸高と対戦する。

 序盤、中央学院はプレッシャーをいなして持ち出す左利きの長身CB松下開斗(3年)とCB西新太(3年)、MF大塚唯翔(3年)を中心に、相手を見ながらゆっくりとビルドアップ。対する暁星国際はボールを奪った勢いで前へ出て、左利きの大型CB国本玲央(3年)と右SB平間利樹(3年)の精度の高いフィードからFW乙黒太一郎(3年)らが裏を取りに行く。

 ボールを保持する中央学院は前半18分、MF松田優人(3年)が右スローインからDF2人を鮮やかにかわしてラストパス。これは得点に結びつかなかったものの、24分に持ち味のドリブルから先制点を奪う。左SB小幡鷹人(3年)の左クロスが流れ、これをファーで収めたMF加藤政哉(3年)が後方の右SB藤本奎詩(3年)へパス。足下でボールを受けた藤本がダブルタッチで一気に中へ切れ込むと、DFにファウルを受けてPKを獲得した。

 これをキッカーのFW加瀬諒(3年)が左足で決めて先制。この後、中央学院はドリブルでなかなか捕まらなかった10番FW古山颯雅(3年)や藤本、左MF村田達哉(2年)をはじめ、相手からボールを隠す、また前に入り込む動きの上手さを発揮する。加えてボールを失った後の奪い返しのスピード、強度もあり、攻守で主導権を握っていた。

 だが、後半は暁星国際が決定機の数を増やす。ドリブル、パスの判断が悪い中央学院からMF林来知(2年)らがボールを奪った暁星国際は16分、左中間を抜け出した交代出場FW矢部優輝(3年)の左足シュートが右ポストを直撃。その後もPA付近の攻防戦で優位に立ち、MF佐藤優輝(3年)がチャンスを迎えるなど中央学院にプレッシャーをかけた。

 28分には選手交代に伴い、長身CB桒田大誠(3年)を最前線へシフト。中央学院は凌ぐ展開となったが、慌てた様子は見られなかった。古山が「色々な大会とか出ても今年、後ろは頑張って守ってくれる。フィジカル的にも後ろはスピードもあって我慢できる。チーム全体としても後ろだけでなくて、プレスバックとかもできている」と話したように、今大会無失点の守備で1-0をキープする。

 藤本や古山のキープからPAまでボールを運んでいたが、2点目を奪うことはできなかった。一方の暁星国際は後半35分、国本の縦パスに桒田が反応し、GKと競り合う。このこぼれを1年生FW木村幸太が右足で押し込もうとしたが、中央学院CB松下がスーパークリア。暁星国際は38分にも右スローインからこぼれ球を桒田が押し込もうとしたが、DFに阻まれてしまう。

 最終盤は中央学院GK平善仁(3年)の好キックが暁星国際の反撃の勢いを止め、そのまま試合終了。浜田寛之監督は「今日は全体的にみんな力抜けていた」と評価した一方で「後半は守りに入ってしまった。ウチはやり切ることが宿命。途中で蹴り出すとああなってしまう」と自分たちでリズムを失っていた後半について指摘していた。

 12年ぶりの関東大会出場を決めた選手たちに向けて、浜田監督は「もっと期待しています」。相手をより見ることや、相手がパスをするのか、ドリブルするのか分からないようなコントロールも必要。また、指揮官は「もっと遊べたら。PAでもう一個アイディアが出るように。何人いても股抜きしたり、スルーパスを出せるようにしていきたい」と期待した。

 左利きのMF森幸人(3年)らけが人が戻ってくれば、また攻撃の質は上がりそう。その上で、中央学院らしさをより表現できるようにチャレンジしていく。古山は関東大会へ向けて、「久しぶりなのでそこで硬くなっちゃったら自分たちではない。自分たちらしく楽しみながらやりたい」と語り、インターハイ予選(6月)を勢いのある状態で迎えることを誓っていた。関東大会で県外の強敵相手に自分たちのドリブル、パスワークを高め、夏の全国大会出場を懸けた場で会場を沸かせ、千葉の頂点を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)

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