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[関東大会予選]「楽しく、伸び伸びと」サッカーをする専修大松戸、技術とアイディア表現して4発で関東進出!:千葉

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関東大会進出を喜ぶ専修大松戸高イレブン

[5.11 関東高校大会千葉県予選準決勝 敬愛学園高 2-4 専修大松戸高 オリプリ]

 伸び伸びと技術、アイディアを表現する専大松戸が関東へ! 2019年度関東高校サッカー大会千葉県予選準決勝が11日に行われ、専修大松戸高がFW吉川秀斗(3年)の3得点などによって敬愛学園高に4-2で逆転勝ち。3年ぶりとなる関東大会出場を決めた。専大松戸は12日の決勝で中央学院高と戦う。

 専大松戸のゲームキャプテンを務めたCB中川豪(3年)は勝因について、「自分たちのチームは、本当にサッカーを楽しんで上手くなるだけなので、硬くならずにゴールを目指した結果かなと思います」と説明した。「やらされるサッカーは好きじゃない。ウチのサッカーは楽しみながら、伸び伸びやろうと」という野村太祐監督の下、純粋にサッカーを楽しむ、上手くなることを目指す専大松戸がボールゲームで技術とアイディアを発揮し、関東切符を手にした。

 互いにボールを大事に繋いで攻める両チーム。序盤の握り合いから、よりボールを支配し、ゴール前のシーンを増やしたのは専大松戸の方だった。吉川、FW武富弘樹(2年)、MF冨山滉太(3年)、MF山下昌大(2年)、MF都倉陸斗(3年)のアタッカー陣を中心に敵陣ゴール前の密集でも精度を表現。シュートの判断が遅れてチャンスを逸するシーンも多かったが、細かくボールを動かし、相手にプレッシャーをかけ続けていた。

 そして15分、専大松戸は敵陣左サイドでボールを奪うと、4人、5人とショートパスを繋ぎ、最後は冨山のスルーパスに反応した山下がGKをかわして左足で先制点を流し込んだ。

 対する敬愛学園は17分、左SB小関海輝(3年)の右CKをファーサイドのMF松山晃大(2年)が頭で合わせて同点に追いつく。敬愛学園はMF河田壮平(3年)や松山を中心に相手のマークをずらしながら前進。いずれも推進力のある右MF田仲幸大(2年)と左MF大久保奏汰(2年)の前方のスペースも活かした攻撃で逆転を目指した。

 そして後半5分、敬愛学園は左サイドから仕掛けると、最後はゴール前の混戦から交代出場の10番MF松井慎之助(3年)が右足シュートを右上隅に決めて2-1とする。だが、専大松戸は11分、敵陣で相手のミスパスをインターセプトした吉川が対応するDFを振り切り、左足ループシュートで同点ゴールを奪う。

 さらに12分にはMF小山蒼太(3年)が敵陣中央でインターセプト。吉川とのワンツーから小山が右足シュートを放つ。これはGKに阻まれたが、跳ね返りを吉川が右足ボレーでゴールに沈めて3-2とした。

 専大松戸は自由な攻撃をする一方で、守備も考え、声がけをして相手のビルドアップを封鎖。中川と宮岡賢太郎(3年)の両CBやGK中山海渡(2年)も積極的にビルドアップに参加し、左SB遠藤太一(3年)と右SB鈴木浩大(3年)の両SBも前に出て攻撃に厚みを加えていた。

 専大松戸は19分にも交代出場FW須賀涼斗(3年)の右クロスが相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。吉川の右足シュートは敬愛学園GK中山京介(3年)に阻まれたが、24分に追加点を奪う。遠藤の右CKをニアの武富がそらすと、ファーで詰めた吉川が右足で決めてハットトリックを達成した。

 普段、走りのトレーニングも、筋トレもしない、時に2週間のオフもあるという専大松戸だが、トレーニングの中で身につけたゲーム体力を発揮し、最後まで走り切って4-2で快勝した。毎日のトレーニング、3年間を「楽しい!と思って終わってもらうのが一番。サッカーは楽しいものなので」と野村監督。その中で一人一人が上手くなることと創造性を求め、パス&コントロールやゲームトレーニングを繰り返しているというチームは、県準決勝という舞台で指揮官も「表現してくれました」と目を細めるサッカーをしてのけた。

 選手たちも日々のトレーニングを楽しみながら、成長。左SB遠藤は「サッカー楽しいんですよ。めっちゃ楽しくて攻撃的に行こうというのも自分好きで、みんな攻撃的な選手だし、自由にまずゴールにガンガン向かっていくのが楽しくてそれをみんなでやろうという話でやっています」と語り、CB中川は「凄く自由にサッカーをやれている感じがしています。こうしろとかああしろとか形にハマったチームではないので自由に、みんながどんどんアイディア出してというサッカーができていると思います」と笑顔だった。

 次は関東大会。まだまだ、ボールロストの多さや守備の甘さもあるが、そこは一人一人の止める、蹴るや、奪う技術を向上させることでレベルアップさせる。中川は「大会をやるからには優勝を目指すのはもちろんなんですけれども、一人一人が上手くなって、サッカーを楽しむということが一番なので、そこはブレずにやっていきたいと思っています」。県外の強豪相手でも自分たちらしくサッカーを楽しみ、伸び伸びと戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)

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