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大分の“雑草”ルーキーMF長谷川が初出場! 出発点は「J1で一番速いチーム」からの白星

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勝利を喜ぶ大分トリニータMF長谷川雄志(写真左)

[5.12 J1第11節 湘南0-1大分 BMWス]

 宮崎産業経営大から今期加入した大分トリニータMF長谷川雄志が12日、ついにJ1デビューを飾った。対戦相手は「プレッシャーがJ1で一番速いチームと聞いていた」という湘南ベルマーレ。嵐のようなスプリント攻勢に戸惑う場面もあったが、フル出場でチームの勝利に貢献した。

 この試合に向けた紅白戦で主力組に入ったことで、週中からJ1デビューの予感はあったという。「楽しもうという気持ちだけ。緊張することはなく、チームとしてどういう戦い方をするかを気にしながら入った」。ここまでルヴァン杯出場は3試合。初めてのリーグ戦にも、普段と異なるメンタリティーはなかった。

 ただ、ここまでルヴァン杯で出場してきたC大阪や神戸がポジションを崩さない戦い方をしてきていたのに対し、湘南はリスクを覚悟しながらアグレッシブなプレスを繰り出し続けるスタイル。初経験の相手に前半は何度か対人戦で後れを取ってしまい、危険な位置でファウルを与える場面も続いた。

「今日の難しさは圧ですね。前を向いたらすでにプレッシャーが来ていたので、どこに出すかの判断を常に頭を回転させていた」。もちろん相手の仕組みは理解していたものの、「最初に行って遅れてしまっていたので、一瞬のスピードに対して準備不足だった」。それにより、対応ミスが出ていたのだという。

 もっともハーフタイムには「自分が中に寄ってしまい、島くん(ダブルボランチでコンビを組んだMF島川俊郎)に近付き過ぎていた」という課題を修正。後半はパフォーマンスも向上し、徐々に持ち味の配球力も見せていた。

 試合後、片野坂知宏監督も「少しバタバタするかなと思ったし、アウェーの湘南さんというプレッシャーのある相手に対し、ミスもあるだろうと覚悟して、良さが出ればとメンバーに起用した。非常に落ち着いてやってくれたし、島川との関係性で良さが出た」と及第点の評価を与えた。

 出身校は宮崎産業経営大。大分では1年目から主力を担うDF鈴木義宜と同じ経歴ではあるが、全国的には決して有名校ではない。「このサッカーが自分のプレーに合うと思って来た。成長できると思うし、すでに自分の中で感覚がこれまでと全然違う。まだまだこれからの選手なので、吸収すればもっと良くなる」。そんな“雑草魂”ものぞかせる。

 ルヴァン杯では随所に見せた“左右両用”のロングパスも、この日は披露できずに「こっちから見たサイドの守備の印象が違っていた。相手が狙っていると思ったけど、怜くん(MF松本怜)側からは『行けるよ』と言われた」と反省。ギャップの正体を掴めていれば、あとはその差を埋めるのみ。好調大分に加わった大卒ルーキーが長いシーズンに向けて、大きな大きな第一歩を踏み出した。

(取材・文 竹内達也)
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