beacon

狂人ビエルサですら分析不能…ペップのチームを見ると「自分が無知だと感じる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

リーズのマルセロ・ビエルサ監督

 “エル・ロコ”(=狂人)という異名を持つ戦術家、マルセロ・ビエルサ監督をもってしても、ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームを目の当たりにして自身を「無知」だと感じることがあるようだ。

 マンチェスター・シティは12日、プレミアリーグ最終節でブライトンを4-1で撃破。リバプールとの熾烈な優勝争いを制し、リーグ連覇を達成した。これにより、マンチェスター・Cのグアルディオラ監督は、ジョゼ・モウリーニョ氏を1つ上回り、歴代5位タイとなるキャリア通算26個目の主要タイトルを獲得している。

 そんなグアルディオラ監督も、2008年にバルセロナのトップチームを率いる直前には、ビエルサ監督の下を訪問。また、現リーズ・ユナイテッド指揮官の名を“世界最高の監督”として挙げており、師と仰いでいる。

 しかし、当のビエルサ監督は、グアルディオラこそが特別な人物だと感じているようだ。

「私がグアルディオラに抱く敬意と称賛を説明するために、彼が作ったチームの美しさを模倣することができないということを、論拠に挙げたい。グアルディオラが作るチームは(良や可ではなく)“優”だ」

 グアルディオラ監督は、指導者生活のスタートを切ったバルセロナで2度のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)制覇を成し遂げるなど多くの成功を手にしたのち、バイエルンでも計7つのタイトルを獲得している。

「私たちはいつも『バルセロナの選手なしで、グアルディオラが何をするんだろう?』と口にしていた。バルセロナの選手たちは独特だろう。グアルディオラのバイエルンにもとても良い選手たちがいて、マンチェスター・シティでもそうだ」。

「だが、彼のチームでしか見られないスタイルを作り出すというグアルディオラの才能は、在籍している選手たちよりもはるかに重要だ。選手たちが重要な存在ではないと言っているわけではない。彼のクリエイティブな能力を強調しているんだ。分析不能なあれ(グアルディオラの作るチーム)は、分からない人々にとってはミステリーだよ」。

 また、マンチェスター・Cの試合を観戦する際、ビエルサ監督の頭の中には多くの疑問が渦巻いているという。

「マンチェスター・シティの試合を見ると、自分が無知だと感じるんだ。10人の相手選手たちがボックス前を固めていて、シティがボールを動かし、スペースを見付けようと試みている様子の映像を持っているとする。何が上手くいっているかを見て、私はそれをコピーし、理解しようとする。だが、グアルディオラのチームをコピーすることはできない」。

「あれを見ると不思議に思うんだ。『メソッドは何だ?あれを実現するために何を反復する必要がある?このコンパクトなディフェンスを攻略するために何を仕込んでおく必要があるんだ?』とね。だが、決して分からない。そして、彼ら(マンチェスター・C)はいつも解決策を見付ける」。

 18日に、今シーズンのラストゲームであるFAカップ決勝ワトフォード戦に臨むマンチェスター・C。その試合を制し、グアルディオラ監督が27個目のトロフィーを掲げることはできるのだろうか。
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP