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打開策はないのか…「厳しく僕らに当たって」7連敗神戸、ブーイングの懇願に寂しさ

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落胆するビジャら神戸イレブン

[5.18 J1第12節 横浜FM4-1神戸 日産ス]

 これでリーグ戦の連敗は7、公式戦の連敗は8に伸びてしまった。停滞感が拭えない。今のヴィッセル神戸には、現状を打開する術が見当たらない。

 日産スタジアムには今季最多となる4万4210人のサポーターが詰めかけていた。しかし“お目当て”のMFアンドレス・イニエスタやFWルーカス・ポドルスキはコンディション不良でベンチ外。吉田孝行監督が「怪我人が多すぎる」と嘆いたように、試合前から“バラバラ感”を抱かせずにはいられなかった。

 GKキム・スンギュの好セーブなどで、前半を何とか1失点で防いだが、後半は終盤にかけて雪崩のように3失点。集中力を切らしたかのように、試合終盤にはFWダビド・ビジャやMFセルジ・サンペールが軽率なプレーから立て続けにイエローカードを貰った。

 スタンド席から見守っていたイニエスタは、試合が進むにつれて悲しみの表情が増していった。VIPトリオのうち、ただ一人試合に出場したビジャは、ミックスゾーンでは記者の制止を振り切って、ノーコメントで足早に会場をあとにした。

 何から手をつければいいのか。MF山口蛍が記者団の質問に対して、第一声で発した「逆にどう思います?」という言葉が、チームの混乱を物語る。そして「どうしても個人頼みになってしまっているが、彼らが怪我から戻ってくれば盛り上がる。彼らの強いメンタルが必要」とまずは離脱者の早期復帰を願うしかないという様子だった。

 試合後、神戸のイレブンがゴール裏のサポーターの前にあいさつに行くが、ブーイングが浴びせられることはなかった。しかし山口は「厳しく僕らにもっと当たってくれてもいい」と懇願する。「ブーイングされるべき結果と内容」。ブーイングをしてほしいというお願い。世界が注目しているクラブである神戸の選手から聞かれた言葉であるのは、寂しい限りだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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