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[MOM2873]帝京GK冨田篤弘(3年)_J内定FW相手に「燃えていた」GKが1対1を3連続セーブ!

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帝京高GK冨田篤弘は1対1でビッグセーブを連発。逆転勝ちに貢献した

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.18 高円宮杯プリンスリーグ関東第7節 桐生一高 1-2 帝京高 あずまサッカースタジアム]

 逆転勝ちしたものの、帝京高にとっては決して良い内容のゲームではなかった。特に後半は、選手たちも「速かったです」と舌を巻いた桐生一高FW若月大和(3年、湘南内定)の圧倒的なスピードに苦戦。前半はよく対応していたDF陣が振り切られ、3度4度とGKとの1対1のシーンを作られた。

 それでも、帝京はGK冨田篤弘(3年)が若月の前に立ちはだかった。後半30分以降だけでも3度あった1対1のシーンを全てストップ。山下高明GKコーチも「アイツ、1対1上手いんですよ」と認める力を注目FW相手に発揮し、白星を引き寄せた。

「相手がプロということもあって燃えていた部分もあります。巧さもあって速さもあったけれど、2枚のCBも頑張ってくれていたので、自分も応えたいなと思っていました。CB2人の威圧もあって、自分も止めやすかったというのがあった」と冨田。CB柳大弥(3年)、CB鳥木秀音(3年)が諦めずに身体を寄せていたことも支えに、冨田は「自分の特長」を最大限に発揮した。

 プロ入りを決め、プロでの公式戦も経験している若月に“ライバル心”を燃やしていたことで、いつも以上に感覚が研ぎ澄まされていたのかもしれない。それでも、彼が1対1で見せた強さは圧巻だった。それは得点を革新した桐生一のベンチ、選手が天を仰いだり、頭を抱えていたほど。冨田は文字通り、守護神の活躍で帝京に勝ち点3をもたらした。

 冨田は昨年からの公式戦経験者。その責任感を持って戦っている。この日は前半にセットプレーから失点したが、それでも「(監督の)日比さんからもハーフタイムにもう失点ないぞと言われていましたし、『自分がやってやらないと』と思っていたので、最後3本良い形で止められてよかった」という冨田は日比監督も讃えるプレーで2点目を与えなかった。

 これまでは、1対1を止めても他の課題が出て失点することもあった。そのために十分な評価を得られていない印象だが、今年の東京を代表するGKの一人であることは確か。「もっと他の部分も強みにしていければいい」。9年ぶりの全国出場が懸かるインターハイ予選でも、この日のように、ここぞの場面で止めて、名門を全国に導く。

(取材・文 吉田太郎)
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