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アンプティサッカーで初の日本一に届かず。関西Sete Estrelasの15歳、近藤が流した涙

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[5.19 レオピン杯決勝 関西Sete Estrelas 0-1 FCアウボラーダ]

 3度目の正直ならず。最近2年連続で決勝に駒をすすめた関西Sete EstrelasはFCアウボラーダに敗れ、初優勝を逃した。大会中、5試合で7ゴールを決め、得点王に輝いた15歳の近藤碧(あお)は涙にくれた。

「悔しい。もう少しできたかなと思うし、攻撃ではずっと孤立してしまいました」

 小学校1年から地元のクラブでサッカーをはじめたが、6年生のときに試合に向かう途中、自動車との交通事故にあい、左足に重傷を負い、左ひざから下の切断を余儀なくされた。それでも退院後は地元のクラブで義足を装着しながらサッカーを続けた。

 中学2年生でアンプティサッカーの体験会に参加し、すぐに関西Sete Estrelasに入団。サッカーとアンプティサッカーの両方で頑張り、昨年10月、メキシコワールドカップ(W杯)の日本代表に史上最年少の14歳で選ばれた。大会直前、急きょ出場規定が変わり、大会への出場ができなくなる悲運にも襲われた。試合に出られないことは承知の上で、それでも日本代表チームに最初から最後まで帯同した。

「悔しかったけど、途中からチームを応援する気持ちが出てきて『自分が出たらこうするかな』という気持ちで見ていました」

 今春、大阪・浪速高に進学後、迷うことなく健常者のサッカー部の門をたたいた。パス練習、ドリブル練習などは他の選手に交じって練習している。

「高校でもサッカーをやろうと思っていました。足のことで迷いはなかった。健常者と同じレベルでやろうとするので意識が高くなる。スピードもあがります」

近藤碧の軽快なドリブルはすでに国内屈指のレベル

 ブラジルから来日し、アンプティサッカーを日本に広めた日本代表のエンヒッキ松茂良ジアスは近藤と対戦後、こう評した。

「スピードに乗った彼のドリブルは、一発でとれない。細かいところで速いんです。彼は健常者の部活でやっているから、これからさらに伸びると思う。僕もブラジルではずっと健常者と一緒にサッカーをやってきて伸びましたから。碧は(相手として戦う)ライバルとなったらキツい存在だけど、頑張ってほしい。日本代表がもっと伸びるためには、碧やGKの上野浩太郎、僕のチームメートの海斗(秋葉)がどれだけ成長できるかがポイントですよ」

 涙がかわいた近藤は、こう明かす。 

「(4年後のW杯で)普通にドリブルやアシストでチームに貢献できる選手になりたい」

 関西Sete Estrelasは春のレオピン杯、秋の日本選手権とまだ全国制覇の経験はない。近藤はチームを初の日本一に導くことを目指しながら、その先の世界制覇も見据えている。

(取材・文 林健太郎)

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