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大迫、谷の分も…U-20W杯はGK若原智哉の番「あの2人の思いを背負って」

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取材に対応するGK若原智哉(京都)

 “GK受難”の逆境を越え、U-20ワールドカップでゴールマウスを守る。6月のコパ・アメリカでA代表初招集が濃厚となった大迫敬介(広島)がU-20日本代表メンバー招集を見送られ、直前に谷晃生(G大阪)が負傷。世代屈指のGK3人中2人が外れる形となり、今大会はGK若原智哉(京都)が正守護神を任されるだろう。

「直前キャンプまで一緒にやってきた2人の分まで頑張らないといけない。あの2人の思いは背負っているつもりです。2人の思いを背負って、まずはグループリーグを突破できるようにしたい」

 昨秋のU-19アジア選手権は谷の控えGKに甘んじた。準々決勝インドネシア戦でU-20W杯出場権を獲得すると、準決勝のサウジアラビア戦で大会初先発。ようやく出番を得たが、シュート性のクロスをファンブルして先制点を献上し、前半のうちに2失点。チームは力負けし、ベスト4で敗退となった。

「アジア最終予選は自分がミスをして負けてしまった。そういう借りを返しに来た気持ちもありますし、そこから改めて修正しないといけないと分かった。代表に呼ばれる回数も少なくなって、自分自身、このままじゃいけないと思っていた。その思いを大会にぶつけたいなと思います」

 今シーズンのリーグ戦出場時間はゼロ。ベンチにも入れないもどかしい状況だった。それでも、ポーランドに入ってからはコンディションを上げ、良い感覚をつかんでいる。「今までにないくらい集中できている」。自身初の世界大会へ、「結果を出さないといけない責任感もある。活躍して京都の名前も世界に広めていきたい」と覚悟を口にした。

 逆に、プロ1年目の昨シーズンは夏までに12試合出場とライバル以上に経験を積み、U-19アジア選手権は正GKの可能性もあったが、蓋を開けてみれば2大会連続で第3GKという現実に直面した。

 悔しさをかみ殺しつつ、ライバルと切磋琢磨し、サポート役に徹した日々を越えて――。もちろん、強豪揃いのグループリーグは厳しい戦いが予想されるが、これまでに経験のない高揚感の中で、若原が輝く番が訪れようとしている。

(取材・文 佐藤亜希子)

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