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[MOM613]中央大GK飯吉将通(3年)_「自信になった」好守連発

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好守連発のGK飯吉将通

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.18 関東大学L第6節 筑波大0-0中央大 AGF]

 毎年、大会中断時期には定期戦の『中筑戦』を実施するライバルチーム。その『中筑戦』は今年で実に61回を数えるが、リーグ戦内での『中筑戦』は実に4年ぶりのことになる。今年、中央大が1部に復帰したことで実現した『中筑戦』は、首位・筑波大が圧倒する展開になった。

 しかし筑波大は中大の粘り強い守備を崩せず、スコアレスドローのままタイムアップ。この結果、筑波大は翌日の試合で快勝した明大に首位を明け渡すことになった。

 シュート数は筑波大17本に対し中大は5本。特に後半、中大は筑波大からの波状攻撃を受けることとなった。度重なる中大のピンチを救ったのは、GK飯吉将通(3年=新潟西高)。気迫あふれるプレーとファインセーブで、筑波大に最後までゴールを割らせなかった。なかでも印象的だったのは、U-22日本代表にも選ばれたエース・三笘薫(4年=川崎F U-18)の決定的なシュートを、再三にわたりストップしたこと。

 本人も「筑波大は大学サッカーを牽引している存在。自分たちはあくまでチャレンジャーだし、でも気持ちの面では絶対に負けないというつもりだった。なかでも三笘選手は今の大学サッカーを代表する存在だし、ほかにも筑波大の選手のいろいろなシュート防いでゼロに抑えられたのは、個人的にも自信になった」と胸を張る。

 2部リーグで優勝した昨シーズンは、圧倒的に攻める展開が多く「シュートを打たれたり、ゴール前で詰められることが少なかった」。それでも「急にゴール前に来られて動けないよりは、今日の試合のようにずっと攻められていたほうが、GKとしては集中できる」と冷静な対応で危機をの乗りきった。

 4年ぶりに1部復帰をはたした今季、中大は開幕から負けなしと好調だったが、前節の東洋大戦でついに初黒星。しかも3失点と、今季最多となるゴールを許した。 「チームとして落ち込んだし、個人としてもショックだった」が、「悔やんでいても試合はやり直せないし、結果は変わらない」と筑波大戦には切り替えて臨んでいた。以前から弱点だと感じていたハイボールへの対応、そして球際の厳しさの徹底を、守備陣含めて再確認して勝ち点1をもぎとった。

 とはいえ、これで満足しているわけではない。「中大はもともとボールを保持して攻めるサッカーが特徴。これだけ攻められたということは、ボールを持てていないということ」と飯吉は試合を振り返る。そこには“負けなかった”ことより“勝てなかった”悔しさがにじみ出ていた。シーズン当初は1部残留が目的だったという中大だが、第6節を終えて首位との勝ち点差は4と「優勝を狙えるポジションにいると思う」。それだけに「次節ではもっと中大のサッカーをしたいし、その中で自分もビルドアップに参加するなどして自分の特徴を出したい」と、中大の守護神は巻き返しを誓った。

(取材・文 飯嶋玲子)
●第93回関東大学L特集

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