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“190cm超え”フェライニ、ペッレに挑んだ鹿島DF陣「ほぼ勝てなかった」「経験は非常に貴重」

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前半11分、MFマルアン・フェライニのヘッドで先制点を献上

[5.22 ACLグループリーグ第6節 鹿島2-1山東魯能 カシマ]

 鹿島アントラーズは前半11分、山東魯能のストロングポイントである高さに屈し、グループリーグ敗退がちらつく先制点を奪われた。「なかなか勝てなかった」「やられたのは自分の責任」。試合後、FW伊藤翔の2得点で勝利した鹿島だったが、守備陣からは口々に課題も語られた。

 引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる鹿島は前半11分、手痛い先制点を献上した。起点は警戒していたはずのセットプレー。左CKをファーサイドに送り込まれると、DF犬飼智也に競り勝ったDFジウに頭で折り返され、DF町田浩樹の頭上から元ベルギー代表MFマルアン・フェライニのヘディングシュートを食らうという形だった。

「セットプレーは集中して入ったが、やられてしまったのは自分の責任」と振り返ったのは194cmの上背を持つフェライニに屈した町田。自身より4cmも高い相手との対峙について「もっと競り方だったり、自分より背が高い相手に対するやり方をもっと工夫していかないといけない」と反省を語った。

 また、犬飼も「なかなか自分は勝てなかったのでそこは悔しい」と厳しい表情。試合中には193cmの元イタリア代表FWグラツィアーノ・ペッレとの空中戦で後れを取る場面もあり、「まず相手は動かないし、相手のやりたいスペースを与えたらほぼ勝てなかった。来る前の駆け引きでどう勝負するかだと思う」と振り返った。

 もっとも、後方からチームを支えたGKクォン・スンテは1失点にとどめたことを前向きに受け止めていた。「相手のストロングを持っているチームなので警戒していて、失点したのは残念だと思ったが、一生懸命に頑張ってくれた」。アジア制覇3回を誇る守護神の目には、課題よりも奮闘のほうがプラスに映っていたようだ。

 また、21歳で出場した町田にとっては得難い経験となった。「単純に自分より背が高い相手に普通に競り合うと勝てないし、競る前の駆け引きをしないといけない。ペッレ選手は背負われたら強いし、重い。その前の駆け引きをしないといけない」と課題を見つめ、「次にこういう相手が来たら活かせる経験になった」と前向きに捉えた。

「日本にいたら戦える相手じゃないし、ACLだからああいう相手と対峙できる。その経験は非常に貴重だし、今日勝ったことでまた違う相手ともできる。だからこそ、今日勝てて良かったと思う」(町田)。世界トップレベルの相手と対峙したことで見えてきた課題と経験。それらはいずれ、この先のサッカー人生で必ず活きてくるはずだ。

(取材・文 竹内達也)
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