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日本代表キリンチャレンジ杯メンバー発表 森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

 日本代表森保一監督が23日、都内で記者会見を行い、6月5日のキリンチャレンジカップ・トリニダード・トバゴ戦(豊田ス)、同9日の同エルサルバドル戦(ひとめS)に向けた日本代表メンバー27人を発表した。

以下、森保一監督の会見要旨

森保一監督
「北中米カリブ海のチームで争うゴールドカップを目前にした力のあるチーム、真剣勝負をしてくれるチームを日本に招いて試合ができること、日本代表の強化となるべく試合ができることをうれしく思うし、環境づくりをしてくださったみなさんに感謝したい。今回のキリンチャレンジカップ2試合で日本代表の戦術浸透をさらに深めること、今後に控えているW杯予選に向けて準備となる戦いができればと思っている」

―今回の活動とコパ・アメリカをどうつなげていく考えか。カタールW杯の出場国が32チームに決まったが。
「キリンチャレンジカップとコパ・アメリカのつながりということだが、まずはA代表として(招集に)拘束力のあるキリンチャレンジカップで招集できる選手を集めさせてもらった中で、日本代表の強化のために戦術浸透をさらに深めていくこと、今後のW杯予選に向けて準備するということをやっていければと思っている。コパ・アメリカに向けては、(選手の招集に)拘束力はなく、チームにも派遣義務がない中で、要望は出させてもらっているが、限られた条件の中で選手を招集し、活動につなげていきたいと思っている。2つの大会でどちらがということではなく、キリンチャレンジカップはベストな部分でチーム力を上げていくことをやっていかないといけないし、2つの大会を含めてA代表の強化を図っていくということをできればと思っている。

 W杯の予選に向けては、レギュレーションはとにかく、アジアの予選で勝ってW杯の本戦に進むこと。参加国が何チームであれ、それが大切なミッションだと思うので、それに向けてアジアの予選を突破する、本大会に出場する、ベスト8以上という目標をもってやっていければと思うし、代表の活動は日々あるわけではないが、チーム力を少しでも毎回の活動の中で上げていくことを考えながらW杯予選突破につなげていければと思っている」

―久保建英と大迫敬介がU-20W杯を回避して招集されたが、その理由と評価は。
「2人の選手は年齢に関係なく、チームの中で存在感のあるプレーを発揮しているということ、結果につながるプレーもしているということを評価してA代表に招集した。シンプルにそれだと思う。彼らはまだまだ伸びしろもあると思うので、今の彼らが見せてくれているパフォーマンス、プラスさらに日本代表としてクラブとは違う経験をしてもらって、さらに成長してもらう。日本代表で経験したことをクラブに持ち帰ってクラブでさらに成長してもらうことを考えて招集した。年齢に関係なく、いいパフォーマンを見せている。それが招集につながったということで、彼らが勝ち取ったものだと思う」

―攻撃面、守備面で冨安への期待は。
「冨安に関しては今、1試合1試合、代表の中でも成長を見せてくれている選手だと思う。ディフェンスの部分では自分が対峙する相手、自分のゾーンの中では相手にやらせない部分をさらに上げていってもらえるようにと思うし、周りのカバーやコーチングも含めて、ディフェンスの中で自分がプレーするところ以外でも関わっていってもらえればと思っている。攻撃に関しては、我々がやろうとしていることは速攻ができるならできるだけ早くと考えつつも、ボールを保持するときはGKも含めてDFラインから組み立てて試合を進めていこうという考えの中で、DFラインでよりよい形で攻撃の起点になってもらうこと、パスだけでなく、持ち上がりも含めて攻撃に関わっていくことをこれからも求めていきたいと思う」

―久保に今の代表で勉強してほしいことはあるか。
「彼らがチームで見せているパフォーマンスがいいということ、そしてチームの中でも中心となって存在感を発揮している、そういうプレーを見せてくれているので代表に招集させてもらった。直近の2試合、得点も奪っているし、チームを勝たせるだけの仕事はしていると思う。データ的なところも見て招集している。求めているのはクラブと変わらず、彼が攻撃に関わることで攻撃のアクセントとなり、変化となり、緩急を織り交ぜながらゴールに向かっていく、相手の守備網を崩していくことができる選手なので、クラブでやっていることを代表でも発揮してもらいたいと思っている。代表に来て私から学んでほしいということは特にないが、国を背負って戦う中でクラブとは違う経験ができると思うので、代表の経験を生かしてもらって、さらなる成長につなげてもらえればと思っている。みなさんの捉え方がどうか分からないが、これまで代表の活動を支えて、歴史をつないできてくれている経験ある選手がいる中で、彼が飛び抜けてその選手たちを追い越しているということではまだないと思うので、これまで代表を支えてきている選手たちの背中を見て学び、プレーを見て学び、言葉でもいろんなことを伝えてもらいながら、彼の成長につなげていってもらえればと思う」

―川島と岡崎がロシアW杯以来の復帰となったが、期待していることは。
「まずは2人ともプレーできるだけのコンディションであることをリサーチしたうえで招集した。川島はなかなかトップの部分では試合に出場することができていないが、しっかり練習は詰めているということと、まだ最終節があるので、そこに向けてやれている。岡崎に関しても試合の出場は短いながらも継続してあるということで、最終節のチェルシーとの試合も映像でチェックして、十分に代表としてプレーできるだろうということで招集した。2人に望むのはプレーの面でチームに貢献するのが第一だが、彼らの持っている経験をプレーとピッチ内外のコミュニケーションで、経験の浅い選手に伝えていってもらえればと思っている。私が監督をしている中でA代表、そして東京五輪代表の中で世代間の融合をしたいと思っているし、これまでたくさんの経験をしてきて日本代表を支えてきた選手たちが持っているものを少しでもチームに還元してもらえれば、生かしていければという思いを持っている。そういう意味で招集した」

―いつもより多い27人を呼んだ理由は。吉田麻也を招集しなかったが。
「今回のキリンチャレンジカップでは27人の選手を招集した。理由は選手のコンディション的なところでシーズンが終わって間が空いている選手もいるし、これまで実際に活動を通して見てこれなかった選手もいるので少し多めに選手を招集して、キリンチャレンジカップの2試合に臨もうと考えている。吉田麻也の件だが、体調を崩していてコンディションが100%に上がってこないということで今回は招集を見送らせていただいた」

―2試合でメンバーを入れ替えるなど、戦い方はどう考えているか。
「これまでのキリンチャレンジカップでは招集した選手にできるだけ多くプレーしてもらうということで、特にスタートから使うということをやってきたが、今回はまだ構想としては固まっていない。招集の27人に関してはキリンチャレンジカップもそうだが、先ほどコパ・アメリカの質問もあったが、次の大会につなげるということも考えて招集させていただいている」

(取材・文 西山紘平)

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