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「タカシ・ウサミの静かなお別れ」地元紙が特集記事を掲載…監督を救った活躍の場面も紹介

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デュッセルドルフ退団が決定したMF宇佐美貴史

 日本代表MF宇佐美貴史はレンタル期間が終了し、デュッセルドルフ退団が決定。地元紙『ライニシェ・ポスト』が同選手のデュッセルドルフでの活躍を振り返った。

 宇佐美は2017年夏に期限付きでアウクスブルクから当時ブンデスリーガ2部所属のデュッセルドルフに加入。1シーズン目には1部昇格に大きく貢献し、デュッセルドルフは今季もレンタルで同選手を獲得した。だがチームが昇格組ながらも10位でリーグ戦を終えた今季、宇佐美はなかなか結果を出せず、後半戦には出場機会も減り招集メンバーにすら含まれなくなった。

『ライニシェ・ポスト』はそんな宇佐美のデュッセルドルフでの2シーズンを、「タカシ・ウサミの静かなお別れ」と題した記事で振り返った。

 記事冒頭では、フリードヘルム・フンケル監督が先日に「あれはこのシーズンでの最も大事な瞬間の一つだった」とコメントした、第11節ヘルタ・ベルリン戦の1シーンに言及。それまで6連敗で17位に沈んでいたデュッセルドルフだが、後半4分、宇佐美が「高度な技術のファーストタッチでボールを受け、本来は利き足ではないはずの左足で豪快なシュートを放った」ことで貴重な1-0をマーク。4-1の大勝に導き、悪い流れを断ち切ったゴールだった。

 同記事ではそのほか、宇佐美が第15節フライブルク戦で、CKからのアシストなどで2-0勝利に貢献したことも紹介。敗れていた場合、フンケル監督が解任されていたかもしれないとも言われていたこの試合で決定的な仕事を見せて、「おそらく1部残留への大きな一歩となる2ゴールに絡んだ」と記した。フォルトゥナはその後、それまでリーグ戦無敗を維持していたドルトムントを下す番狂わせを見せるなどして4連勝を果たしたが、チームはその時期に残留争いからの脱出に大きく前進したとされている。

 だがシーズン後半戦、最初の2試合では先発した宇佐美だが、以降シーズン終了までは5試合の途中出場で計69分間のプレーにとどまることに。記事内では、デュッセルドルフが同選手を引き留めない判断が「デュッセルドルフの求める基準が高まったことの証」であると記載。宇佐美のブンデス1部でのパフォーマンスが、総合的に物足りなかったとの見解が述べられた。

 宇佐美の退団が決まったデュッセルドルフは、トップチームに在籍する日本人選手が2015年12月以来初めて「0人」に。6500人とドイツで最も多くの日本人が住むデュッセルドルフだが、そこに拠を構えるクラブとしてはやはり商業効果の面も意識している。強化担当のルッツ・ファネンシュティール幹部は「日本人選手はデュッセルドルフにとって常にひとつのテーマ。ただ、クオリティーも重視しなければ」と認めながら、「我々は日本の市場を注視し、いつも日本人選手の代理人と話している」とも語っている。

 デュッセルドルフでは宇佐美のほか、ドイツ生まれのMF朝枝健(2007-08)、すでに現役を引退した結城耕造氏(2009-10)、現大宮FWの大前元気(2012-13)、現群馬MFの金城ジャスティン俊樹(2016-18)、現ハノーファーの日本代表MF原口元気(2018-19シーズン後半戦)といった日本人たちがプレー。また新たな日本人選手が加わるのかもしれない。

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